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- ID:
- 27572
- 年:
- 2013
- 月日:
- 0507
- 見出し:
- 「強度に問題なし」 カミキリムシの被害木
- 新聞名:
- 紀伊民報
- 元UR(アドレス):
- http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=251831
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
和歌山県林業試験場(上富田町)は、カミキリムシ被害に遭ったヒノキやスギの商品価値を確認するため曲げ強度を調べたところ、健全材と大差がないことが分かった。
同試験場では、今後も被害木の性能評価を続け、有効利用につなげていく方針
近年、県内で枝打ちをしていない人工林を中心に被害が急増している。
害虫はスギノアカネトラカミキリ。
小型のカミキリムシで、体長9~13ミリ。
スギやヒノキの枯れ枝に産卵、ふ化した幼虫が枝から樹幹に侵入して食害する。
被害に遭うと痕が残り、場合によっては変色や腐朽を伴うため、建材としての価値が下がるという。
古くから知られた被害で「アリクイ」や「トビクサレ」などと呼ばれていた。
この被害は、枝打ちして枯れ枝を減らせば防ぐことができるが、木材価格の低迷から枝打ち作業に見合う収入が得られず、枝打ちをしていない人工林が増えている。
県内の森林は約36万4千ヘクタールで、うち人工林は約22万1千ヘクタール。
スギ・ヒノキの割合は4・6と言われている。
面積が広く、薬品駆
除なども難しいという。
試験は、被害がある板材(縦3センチ、横10・5センチ、長さ3メートル)から被害部と健全部をそれぞれ1・1メートルずつ取り出して曲げ強度を比較した。
この結果、健全部と被害部の強度平均値に差は認められなかった。
このほか、国土交通省の定める基準強度と比較しても、被害部すべてが上回ってい
た。
山裾伸浩研究員は「建材として十分使える強度。
今後もさまざま方法で性能評価していく」と話している。
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