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- ID:
- 27362
- 年:
- 2013
- 月日:
- 0408
- 見出し:
- DIY 実は女性向きの趣味?!
- 新聞名:
- 産経新聞
- 元UR(アドレス):
- http://sankei.jp.msn.com/region/news/130408/tky13040808010000-n1.htm
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
男の領域だった大工仕事、DIYへの女性進出が著しい。
「自分らしく」「お金をかけずに」…日常生活を豊かにする工夫とインテリアへの関心が高まり、手作り熱に火が付いた。
女性ならではの発信力とネットワークで愛好者サークルも急拡大。
失敗も味わいとして肯定する女性特有のおおらかさに、「実は男性
よりも向いている?!」と関連業界も注目している。
(重松明子、写真も)
ギュィーン…。
工具売り場に響く電動のこぎり音。
エプロン姿の女性が木材を切っていた。
先月30日、東急ハンズ池袋店で開かれた「DIY女子部」ワークショップ。
初めて電動工具を手にした主婦の小林浩美さん(43)は、「思うように真っすぐ切れなかったけれど、さらにやりたい意欲がわいた。
今の目標は、家のトイレにぴったりの棚を作ること」。
穴開け、ネジ留め、研磨など電動工具を一通り使
い、2時間かけて木製ハンガーとフックを制作。
多少ゆがんでいても完成後の顔は実に晴れやかだ。
「完璧を求める男性と違い、女性は失敗も味わいとしておおらかに受け止める。
また、購入した工具のモトをとろうと使用頻度も高くなる傾向があり、実は男性よりも向いていると感じる」とは、DIY女子部に工具提
供しているブラック&デッカーの担当者、渡辺和典さん(39)
DIY女子部は東日本大震災直後の一昨年3月、東京で5人で発足。
ブログで活動を告知するとともに部員募集し、現在30代後半主婦を中心に930人を超す大所帯に成長した。
女性ならではの視点と行動力には業界も注目。
活動場所や素材・工具を無償提供する企業サポーターは20社に上り、声を反
映した女性用工具なども商品化された。
この日、ワークショップの講師をつとめた掃部関(かもんぜき)真紀さん(39)は、入部1年ながら木工部門リーダーを務めるDIY歴9年の主婦。
オリジナルデザインで作った神奈川県の自宅ウッドデッキが、DIY雑誌主催の「ドゥーパ!DIY大賞」の部門賞を獲得したほどの腕前だ
「最初は壁に穴を開けるだけで大騒ぎだった」という夫(49)も、最近は何も言わず応援。
小・中学生の2男1女は「本棚が欲しい」とリクエストしたり作業を手伝ったり、DIYで家族の絆も深まった。
ハンガーとフックが完成。
布テープで装飾したりアンティーク風の塗装で仕上げた。
右から2人目が講師の掃部関さん=東急ハンズ池袋店
主婦にとってのDIYの魅力について掃部関さんは、「安く、自宅にぴったりのサイズで作れるうえ、こういうのがあったら便利という機能も実現でき、それが世界に一つだけのオリジナルになるということ」
体力に自信のない女性が楽しむコツとしては、「最初から『すべてやろう!』と気負わず、木材カットをホームセンターに依頼したり、100円均一の木箱を利用するなど、気軽に取り組んで」と呼びかける。
DIY女子部の活動は、「同じ趣味の女子が集まるのでトークが楽しい。
得意分野を教え合うことで刺激
になり、ともに向上できる」と、まさに学生時代の部活のようだ
今月25~27日、東京国際展示場で開かれる「ホビーショー」でDIY女子部とブースを共同出展する、育児主婦雑誌「コモ」(主婦の友社)の高橋祥子編集長は、「東日本大震災を境に、洋服や化粧品などそれまで“外”に向いていた読者の目が“内”向きに変わった」と指摘。
今の最大の関心事は「自分な
りに家の中をどうするか?」。
新ニーズを受け、同誌ではDIYなどの主婦アイデアを募る「コモ暮らしニスタ」コンテストを企画し、現在応募を受け付け中だ。
震災後の堅実志向で目覚めた女子DIYブーム。
節約とセンスを両立させる創造力と器用さを併せ持つ、大和撫子らしい新たな乙女文化が花開いている
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