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- ID:
- 27062
- 年:
- 2013
- 月日:
- 0307
- 見出し:
- 被災 奏で継ぐ 南三陸の寺の柱でギター製作
- 新聞名:
- 東京新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013030690100445.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
東日本大震災の被災地と横浜を音楽でつなごうと、横浜市戸塚区の「大川印刷」などが、宮城県南三陸町で倒壊した寺の柱を使ったエレキギターを製作した。
四本作り、被災地でのライブ活動で使ったり、著名な音楽家に寄贈したりすることを考えているという。
(志村彰太)
大川印刷社長の大川哲郎(てつお)さん(45)は自ら二つのバンドを組むなど、ギター演奏が趣味。
創業百三十年を超える会社で、大川さんは「地域貢献の一環で地元の祭りなどで演奏していた」と話す
二〇一一年夏、付き合いのあった宮城県石巻市のNPO法人から「津波で倒壊した古刹(こさつ)・徳性寺の柱を活用できないか」と相談を受け、エレキギターの製作を思い立った
ギター製造の第一人者、椎野秀聡(ひでさと)さん(65)の協力で愛知県蟹江町の楽器会社に柱の一部を搬入。
柱は五百年前の杉の木で虫食いが多く、油分も抜け、加工は困難を極めた。
「使える部分がほとんどなかった」が、二月に四本が完成した。
年代を感じさせる「不思議な太い音」がするという
弦の張り具合を調節するヘッド部分に「徳性寺」の文字を描き、カバーには横浜シルクを使用した。
今後、一本は大川印刷で保管し、ライブで演奏したり、展示したりして震災と津波被害を伝えるために使う
もう一本は徳性寺に寄贈する。
残り二本のうち、一本は製作費を賄うためにオークションで販売し、最後の一本は震災被害を語り継ぐ活動などをしている著名な音楽家に贈る予定という
大川社長は「震災から二年がたとうとしている。
このギターを使えば、演奏時にストーリーが語られる。
音楽を通して震災に対する思いや記憶をつないでいく」と話している
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