v11.0
- ID:
- 26320
- 年:
- 2012
- 月日:
- 1226
- 見出し:
- おわん 味わいのある木製漆器
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/history/20121106-OYT8T00997.htm
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
耐水、耐熱性、丈夫さも最高 ウルシ不足で減った生産地
このところ木製漆器のおわんに人気が集まっている。
和食には昔ながらの食器を使って――という生活のゆとりからではないかと業界ではみているが、一方、プラスチック製のおわんも相変わらず全盛。
食生活が変化しても、日本人の食卓には欠かせないおわんの魅力をさぐる――。
▼ともかく値段の安いこと
と扱いやすいのがプラスチックわんの強み。
有害物質に対する業界の自主規制で“名誉”をばん回すれば、その大衆性はますますゆるぎないもとのなるだろう。
▼昔、日本人の日常生活には漆製品が欠かせなかった。
おわん、重箱、盆など食器はもとより筆記用具、仏壇仏具、調度品から乗り物まで、ふん
だんに使われた。
それが、今日“高根の花”の存在になったのはどうしてだろうか。
東京・日本橋の漆器商、武藤三郎さんはつぎのように説明する。
「まずウルシが手にはいりにくくなり、高くなったことでしょう」。
産地がプラスチックに転換したのも、ウルシ不足が大きな原因となっている。
▼料理研究家の辻嘉一さ
んは、木製漆器おわんの味わいを次のようにいう。
「まず第一に、手になじむことです。
プラスチックでは、いかにも軽く、カササカした感じですが、よい品物の木製漆器わんは、持ち心地のよい重量感を与えてくれます。
これにはある程度の厚みが必要ですが、ことに口作りまで、厚みをもたせたおわんですと、く
ちびるが触れたときにやわらかな落ちつきがあるものです」
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