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- ID:
- 26305
- 年:
- 2012
- 月日:
- 1225
- 見出し:
- パワープレイスなど「木づな」プロジェクト
- 新聞名:
- 産経新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.sankeibiz.jp/business/news/121225/bsl1212250502007-n1.htm
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- 記事
-
東日本大震災に伴う津波の被害を受けた「被災木」を家具として再生するプロジェクトが本格的に動き出した。
仕掛けたのは、内田洋行グループのオフィスデザイン会社「パワープレイス」(東京都中央区)などが参加する「東北復興木づかいプロジェクト推進委員会」だ
今回の「タコマツの木づな」プロジェクトは、林野庁の支援で4月に発足した。
パワープレイス以外には、内田洋行や家具製作の奥羽木工所(仙台市宮城野区)などが参画した。
きっかけは、2011年3月の大津波。
その影響を東北沿岸の防風林が受け、多くの屋敷林が枯れた。
そして、行き場のない被災木が積み上げられた。
プロジェクトリーダーでパワープレイスのシニアディレクターを務める若杉浩一氏は「被災木を処理する手立てを考えてほしいという依頼が仙台の家具工場や林野庁から昨秋舞い込み、立ち上がった」と振り返る。
ただ、壁が立ちはだかった。
被災木が運びやすいよう短くカットされているため、建築に不向きだった。
さらに、痛みも気になる。
そこで、簡単な加工で価値を生む製品を作る方策を探り、椅子製作に行き着いた。
展開例の1つが、タコのような姿が印象的な「タコマツ」。
被災木と安定感のあるステンレス製の脚を組み合わせて強度を確保し、年齢を問わず使えるようにした。
本体の幅と奥行きは376ミリで、高さが400ミリ。
価格は1万7850円
製作の流れはこうだ。
まず仙台市から被災木を調達し、それを製材所に移送し丸太を所定の形状・寸法に加工し乾燥させるとともに、放射線量を調べる。
次に検査済みの角材は奥羽木工所に運び、ステンレスの脚を組み合わせる。
再利用する被災木の樹種はマツやスギなどと多彩。
2013年度は、10
00本の丸太利用をめざす
完成品は来年1月から販売する予定で、内田洋行グループの東京ウチダシステムを通じ企業などに提案する。
インターネット通販などを利用して個人にも売り込む。
当面の年間売上高目標は5000万円だ
タコマツ以外にも、横に長いベンチや駐車場で使う三角コーンなどの商品を用意。
売り上げの一部は、募金に充て森林整備などに役立てる。
復興支援の背景には「地域産の木材を生かして産業も生活も豊かにしたい」という若杉氏の熱い思いもある。
タコマツを愛されるキャラクターに育て地域経済活性化に役立てる展開も期待している
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