v11.0
- ID:
- 25188
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0905
- 見出し:
- 目立て職人奮闘 のこぎり加工、製材支える
- 新聞名:
- 神戸新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.kobe-np.co.jp/news/seiban/0005352327.shtml
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
林業の衰退に伴い製材所が少なくなる中、製材の工程で使うのこぎりを加工、修理する目立て職人が兵庫県神河町大畑で奮闘している。
「安達鋸目立商」の屋号で働く足立高正さん(58)は同町では唯一の職人といい、キャリア42年の腕で顧客を納得させる製品を届け続ける
足立さんは中学卒業後、おじの寿一さん(80)に弟子入り。
国内の林業には勢いがあり、製材所は営業で回った神崎郡と北播磨などだけで約60軒あった。
今は安価な外国産木材の影響で、製材所の数も半分以下に落ち込み、町内に6人いた職人が相次ぎ廃業し、現役では足立さん1人になったという
目立ては複数の工程を踏む。
真っすぐに切れるようにする「腰入れ」や、歯の先にふくらみをつけて切れ味を増す「アサリ」など、特殊な工具と機械を使い分け、注文通りに製品を仕上げる
収入は最盛期に比べて大幅に減ったが、足立さんに辞める考えはない。
その支えが、約30年にわたり同僚として働き、2006年に他界したいとこで、寿一さんの長男卓真さん=当時(47)。
「弟のような存在で、2人で切磋琢磨してきた。
卓の分も続けたい」と誓う
製材所回りで聞く「(製品の)調子ええがな」の一言がやりがいだが、満足はしないという。
「完璧な仕事はない。
失敗から学んで応用する繰り返し」と技術の向上を惜しまない
目立てについて広く知ってもらおうと見学も受け付けている
fff: