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- ID:
- 24560
- 年:
- 2012
- 月日:
- 0615
- 見出し:
- 根曲がり材の器商品化へ
- 新聞名:
- 西日本新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/307772
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
県産杉の主要品種の一つ「ヤブクグリ」の根元(根曲がり材)を有効利用し、山林をきれいにしようと、日田玖珠地区の建築士や林業家のグループが、器の商品化を目指している。
14日、日田市亀川町の製材所で試作品の発表会を開き、木目を生かした器の特徴や課題について語り合った。
ヤブクグリは、育ちが早いことから、戦後から日田玖珠地区を中心に盛んに植林が行われた。
以前はげたなどの材料に使われたが、根元が曲がりやすいのが難点で、現在は、伐採後に根元だけを山中に放置することが多いという。
器を作る取り組みは、日田市本町の建築士、藤原直樹さん(55)が中心となり、木の樹齢や生産地、品種の特徴を生かした家づくりを始めたのがきっかけ。
思いに共感した林業関係者と話すうちに、根曲がり材の入手が難しいことを知り、杉の有効活用策として商品化を目指すことになった。
試作品は、日田市の林業会社「マルマタ林業」が由布市で伐採したヤブクグリが原料。
日田市の製材所「亀川集成」が根曲がり材を製材し、九重町のクラフト工房「トダカ ウッド スタジオ」が自然乾燥をしながら半年かけて仕上げた。
直径20センチほどのボウルや皿8種類があり、木の内側の耐水性があ
る部分を多用した。
この日は、藤原さんら関係者7人が試作品を手に取り、「木目の美しさは都会の消費者にPRできるかも」「割れや染みが出るかが課題」などと批評し合った。
今後、実際に家庭で使ってもらいながら、商品としての精度を高めていくという。
藤原さんは「木の特徴を生かした商品を売ることは、山林をきれいにすることにもつながる。
商品化をぜひ実現させたい」と意気込んでいる
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