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2011年- 国産木材に商機 |木製品、木、木工などのネット新聞情報 |木の情報発信基地
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- ID:
- 51239
- 年:
- 2011
- 月日:
- 0808
- 見出し:
- 国産木材に商機、東日本大震災被災地に木材安定供給へ政府がテコ入れ
- 新聞名:
- モーニングスター
- 元UR(アドレス):
- http://www.morningstar.co.jp/portal/RncNewsDetailAction.do?rncNo=516824
- 写真:
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- 記事
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国産木材に商機がめぐってくる。
政府は7月26日、森林・林業基本計画を決定した。
新たな同計画では、東日本大震災からの復興に向けて、住宅・公共施設の再建に必要な木材の安定供給を行うとともに、10年後の木材総需要に占める国産材の割合を50%にする目標を打ち出した。
森林・林業基本計画はおおむね5年ごとに見直すことになっており、今回の改定は2006年に決定された現行の基本計画を変更するもの
今回の改定では、東日本大震災に留意し、木造住宅の資材不足を補うため、全国規模で供給体制を早期に整備することを盛り込んだ。
さらに、木質がれきや間伐材を燃料とした木質バイオマス資源の活用による環境負荷の少ない新しいまちづくりを推進することも明記した。
森にある木の総量である森林蓄積は年々増加しており、07年には人口蓄積と天然蓄積を合わせて、44.3億立方メートルにも達する。
しかし、国産材市場は縮小が続いている。
国産材は高価で、輸入材は安価というイメージがあるかもしれないが、今や価格差はほとんどない。
それでも、木造住宅では、柱の約7割、梁(はり)の約9割、土台の約6割に輸入材が使われている。
これは、木造住宅に多く使われる「集成材」と呼ばれる接着剤と高圧プレス機で工業生産する木材によるところが大きい。
集成材は、強度や精度を確保でき、量産が可能。
輸入材は十分な供給能力を持っている。
一方、国産材は林業人口の大幅減少により、供給能力が小さく、強度や精度の計測が不
安定なことも多い。
このため、輸入材による集成材が木造住宅造りに使われることになる。
しかし、国産材には美しさがある。
材木を柱や梁、板にした時に、枝を伐採した時の痕跡である「節」を目立たないように、年輪の緻密(ちみつ)な木を作るために、「密植」を行う。
これは、植林の密度を高くすることで、枝の伸びる余地を少なくし、枝分かれを少なくすることで節を減らし、成長を抑制することで、年輪を緻密にする方法。
そのためには、間伐などの手入れの手間暇が掛かるのだ。
このため、林業従事者が減少した現在、間伐や木材の切り出し、加工など製材までの作業
に人手が足りず、十分な供給量が確保できないのが悩みとなっている。
だが、森林・林業基本計画で国策として“テコ入れ”を行い、東日本大震災の被災地へ木造住宅を供給するという目的が明確化されたことにより、今後、木造住宅には新たな需要が発生するだろう。
ここはやはり、民間企業として日本一の森林を持ち、国産材での木造住宅にこだわる住友林業 <1911>
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