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ID:
50264
年:
2011
月日:
0414
見出し:
2300年前に木工集団入植 すさみ町に弥生文化伝える
新聞名:
紀伊民報
元UR(アドレス):
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=208745
写真:
【写真】
記事
和歌山県で初期農耕が始まったとされる弥生時代前期(2300年前)、本州最南端に近いすさみ町周参見に、優れた技術を持った木工集団が入植・定着し、弥生文化を伝えていたことが、県文化財センターによる立野遺跡発掘調査で明らかになった。
加工途中から完成品までの木製品が多数出土しており、 担当者は「恵まれた森林100+ 件資源を求めて入植した人々がいたことは間違いない。
社会的分業が進んだ弥生社会の態様をほうふつさせる木製品の生産拠点があった」と話す 立野遺跡では、近畿自動車道紀勢線の南伸工事に伴い、同センターが国土交通省の委託を受けて2010年8月から11年3月まで発掘調査した。
調査面積は約8500平方メートル。
調査地の西端で見つかった弥生時代前期の河川から、伐採された樹木などとともに木製品が多量に出土した。 発掘を担当した同センターの川崎雅史技師は、入植者がいた根拠の一つとして、多数の弓を製作しているが、矢先に付く打製石鏃(せきぞく)の出土がないことから狩猟・採集集団とは考えにくいとしている。 弓は日用品として使ったのではなく、製品として出荷していた可能性が高い。
ほぼ完全な形で見つかった弓は樹皮が巻き付けられ漆で補強されるなど、その技術の高さがうかがえるという。 土木作業に使われたとされる平鍬(ひらぐわ)には使用痕があり、農耕に使われる広鍬(ひろぐわ)には泥よけが付けられ、修理した跡が残っていた。
地元民を中心とした入植者が森林100+ 件を開墾しながら農耕も行っていたと推測されるという。
平鍬は、弥生時代前期としては、全国的に珍しく、県内では初めての出土となった。 川崎技師は「弥生初期の集団が近畿地方でも、木工に比重を置いた生産活動を行っていた実情が判明したことは驚くべきこと。
当時の農耕社会の分業やその仕組みを考える上で極めて重要な成果」と評価している fff:
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