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    ID:
    48774
    年:
    2010
    月日:
    1119
    見出し:
    地元製作者による古楽器のクラヴィコードとソプラノの演奏
    新聞名:
    ケンオー・ドットコム
    元UR(アドレス):
    http://www.kenoh.com/2010/11/19cravi.html
    写真:
    -
    記事
    クリスマスを前に三条市は、12月5日午後2時から同市庭月、漢学の里で「クリスマスコンサート~待降節(たいこうせつ)によせて~」を開き、ピアノ誕生以前のパーソナルな鍵盤楽器、クラヴィコードとソプラノ歌手の演奏を楽しんでもらう。 12月5日にクリスマスコンサートが開かれる漢学の里のクラヴィコードのある風景 ソプラノは佐渡市出身の西門優子さん。
    尚美音楽短期大学声楽科卒業、イタリアでアンジェロ・ベルタッキ氏に師事し、16世紀から18世紀の演奏法と解釈を岡田龍之介、佐竹淳、発声法と演奏解釈を村上雅英、波多野睦美の各氏に師事。
    オリジナル楽器との共演を中心に演奏活動を行っている。 クラヴィコードを演奏するのは、筒井一貴さん。
    最古のピアノ、クリストーフォリピアノ演奏で知られ、クラヴィコードのほかにもチェンバロなど古楽器の奏者。
    2001年の石川県立音楽堂オープニングイベントにて5種類のピアノを使った演奏会、2003年と2009年の国際クラヴィコード・シンポジウム(イタリア)での演 奏会など、幅広く活動し、2010年10月にも1844年プレイエル製ピアノによるショパンリサイタルを開いている。 クリスマス・キャロルのひとつのコヴェントリーキャロル、バッハのカンタータ第61番「いざ来ませ、異邦人の救い主」よりコラールとアリア、ハイドンのソナタ第46番ホ長調Hob.XVI:31などを演奏する。 クラヴィコードと製作者の高橋さん クラヴィコードは聞き慣れない楽器だが、ピアノが生まれる前の13世紀ころから記録がある鍵盤楽器で、15世紀ころのものが今も残る。
    鍵盤をたたくと横に張った弦を上へ突き上げるのと同時に振動させて音を出す。
    弦を突き上げる位置でも音程が変わり、ひとつ弦を複数の鍵盤で兼用することもあるため、弦 を兼用する鍵盤の音は同時に出ないという制約もある。 音はピアノよりはるかに小さく、夜に家でもひけるくらい。
    鍵盤をたたく強さで音の強弱も表現でき、繊細な音色を奏でる。
    木の風合いを生かしたクラシックな調度品を思わせる造形も美しい コンサートで使うクラヴィコードを製作したのは、地元のクラヴィコード、チェンバロの製作者、高橋清志さん(50)=庭月=。
    昨年3月にも同所で高橋さんの企画で筒井一貴さんのクラヴィコードリサイタルが開かれ、今回で2回目になる。 鍵盤で弦を押し上げると同時にたたいて振動させるクラヴィコード 高橋さんは大学を卒業してから何年か勤めた経験があるが、20歳台後半になって楽器を作りたいと思い立った。
    最初はバイオリンを作りたいと思った。
    ピアノの修理をやったことも。
    そしてチェンバロを手掛けるようになったが、ユニークなのはほとんど独学なこと。
    おかげで最初の2台は作りかけで放置し、3台目で ようやく完成させた。 子どものころから音楽が好きで、思い返せばタケに穴を開けて笛を作ったり、板に糸を張って弦楽器のようにしたりと、楽器のようなものを作るのが好きだった。
    何の経験もなければ、裏付けもなく、いきなり楽器製作の道へ飛び込むのは無謀に見えるが、自身はいたって平然。
    「認められるまでは大変でした」と笑 う。 クラヴィコード奏者の筒井さんとその音色を確かめる高橋さん 本体はクルミ、鍵盤はサクラ、響板はヒノキなど、それぞれ木材がもつ特性を生かして使い分ける。
    今回のコンサートに使うクラヴィコードのひとつは、幅約160センチで、頑張っても製作に4カ月はかかり、販売価格は150万円。
    経済的には割に合わず、好きでなければ続けられない それでも、こだわりは曲げない。
    完成したら見えなくなる部分にもかんなをかけて仕上げないと気がすまない。
    「そうやって積み重なったものが音になる」と確信する。 結局は「木が好きじゃないと」、「木への愛情ですね」。
    そんな思いが高じて、家も骨組みは大工に作ってもらったものの、床や壁は自分で製作することに。
    今も作りかけだが、「住むには困らないので」と気にするようすもなく、それどころか、「老後の楽しみにします」とのんびり構える。 リハーサルをする筒井さん クラヴィコード奏者の筒井さんは、10月に漢学の里で高橋さんとともにリハーサルを行った。
    筒井さんは大きなガラス越しに奇勝八木ヶ鼻を遠望する会場でクラヴィコードの響きを確かめ、「世のなか、うるさいじゃないですか。
    音楽もいろんな刺激があるなかで、小さな楽器にいやされるのではないでしょうか」とク ラヴィコードの魅力を話す 高橋さんは「クリスマスはにぎやかなイメージがありますが、今回のコンサートは古い時代のヨーロッパのような静かなクリスマスのイメージで師走の慌ただしさを忘れて静かな気持ちで気分を落ち着けて楽しんでほしい」と話していた。 fff:

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