v11.0
- ID:
- 48292
- 年:
- 2010
- 月日:
- 1021
- 見出し:
- B級天竜材で集成材 浜松・幸和ハウジングが開発
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20101020/CK2010102002000126.html
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- 記事
-
木造建築工事の幸和ハウジング(浜松市東区、淺岡則彦社長)が、虫食いや傷があり出荷されず山に残されたスギやヒノキなど「天竜材」を利用した集成材の開発に成功した。
強度を維持した上で、安価に地元材を活用できるのが特徴。
2年後をめどに、天竜材の集成材だけで造った住宅の販売を目指す
。
(有川正俊)
同社は3年ほど前から、「天竜の家」の名称で天竜材のむく材を使った住宅の販売を行っている。
地元材を活用する中で、局所的な傷や虫食いなどでB級品とされる「天竜材」が15~20%あった。
市場に出荷されていなかったと知った淺岡社長が、集成材としての活用を思い付いた
B級品とされる材木だが、虫が食べるのは主に枝と幹との接点のため、強度に問題はない。
それぞれの木に癖があって曲げやソリの心配があるむく材に比べて、集成材は品質が安定し、B級品の木材を集めても、住宅に活用しやすいことに目を付けた
新しくつくった集成材は、強くてたわみにくい天竜ヒノキを外側に、軽くて粘りがある天竜スギを内側に配置。
スギ、ヒノキの特性を生かして、強度を一定に保った。
今後、市内の協力会社などで量産化を始める
天竜材を使ったこれまでの集成材は外国産材の3、4倍の価格で「商品化が難しかった」(淺岡社長)という。
B級材を使うことによって、価格を外国産材の2倍以下に抑えることができた
地元の気候で育った天竜材は、北欧や米国などの材木よりも、浜松での家造りに適している。
これまで出荷できなかった木材が活用でき、安価でもあるため、林業者にも、国産材での家造りを考える消費者にとっても朗報といえる
国は、同社の天竜材を使った集成材を、地域産業資源活用事業計画として認定。
国が補助金を出し、市内の林業組合や流通業者、製材業者など新たな需要創出も期待される。
淺岡社長は「新しい国産地域集成材を活用して、浜松を中心に、品質の良い住宅を広めていきたい」と意欲を見せている
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