v11.0
- ID:
- 問い合わせは同協議会事務局がある日田木材協同組合(TEL0973・24・2167)へ
45882
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0506
- 見出し:
- 国展:耳の不自由な福生の土谷さん、木彫「錆びた鯨」初入選--国立新美術館
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20100507ddlk13040221000c.html
- 写真:
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- 記事
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耳の不自由な土谷策造さん(61)=福生市=の木彫「錆(さ)びた鯨」が、国立新美術館(港区六本木)で開催中の「第84回国展」に初入選した。
観客がクジラを動かすことができ、その影も楽しめるユニークな作品だ。
10日まで
クジラは、体長約3メートル。
バットの素材となるアオダモを使い、パッチワークのように木片でつないだ。
腹部は空洞で、「流氷の妖精」とも呼ばれ北海を泳ぐクリオネをイメージし、多くの小さい木片を入れている。
クジラの腹には棒をさし、来館者が動かすと、クジラとクリオネが揺れ、後ろの白い壁に映った影が揺れる仕組みだ。
「作品に触らないで」との注意書きが並ぶ会場では、異色の作品となっており、土谷さんは手話通訳を通じて「壁に映る作品の影も見てくださいね」と話している。
土谷さんは生まれつき耳が聞こえず、筑波大付属聾(ろう)学校で美術を専攻。
都内の七宝焼の会社で絵付け師として働くようになった。
だが、不況で会社が移転したため、6年前、35年間勤めた会社を退職せざるを得なくなった。
その後、職業訓練所で1年間木工を学び、青梅市の貸しアトリエで椅子など
を作りながら、2年前から木彫を始めた。
「リストラにもめげず、好きな美術に励んでおり、初応募での入賞はうれしい」と妻節子さん(59)
土谷さんは「大きなクジラと小さなクリオネの動きから、地球環境の大切さを感じてもらえたら。
2人の子どもにも見てもらいたい。
今後も自然をテーマに創作を続けたい」と意欲を燃やしている
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