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- ID:
- 47359
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0823
- 見出し:
- 独自乾燥 ひび・縮み・反り なし 国産材見直し
- 新聞名:
- 東京新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2010082302000076.html
- 写真:
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- 記事
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マンションの内装やリフォームに国産材を使う動きが広がっている。
林業と製材業、建築業の計四十一社でつくる「山の加工場ネットワーク」(事務局・三重県松阪市)が仲介し、施工実績は関東地方を中心に三千戸を超えた。
乾燥したマンションの密閉空間で、ひび割れを起こしやすいなど、国産材の弱点
が克服された。
用途はさらに広がりそうだ。
(市川真)
JR名古屋駅前にあるマンションの一室。
「ひび割れたり、縮んですき間が空いたりしていないでしょう」。
同ネット代表の横浜金平さん(59)が国産材でできた床を指さした
独自の方法で乾燥させた国産材の効果を実証しようと、同ネットは一昨年、築三十年以上のマンションのこの部屋を、コンクリート製の骨組みだけ残してリフォーム。
無垢(むく)材や間伐材など、国産の木材を使って新たな部屋に仕上げた
座っているだけで汗がしみ出す暑さだが、ジメジメした感じはない。
室温三三度、湿度37%-。
乾燥しやすいなどマンションに典型的な環境の中でも改装後、木が縮んだことによるすき間や、乾燥によるひび割れ、反りは発生していない
マンションの環境は、木にとって過酷だ。
暑い夏に建築中の物件の場合、ときに室温は四〇度、湿度は70~80%にも達する。
工期短縮のため、コンクリートの型枠を外し、すぐに内装工事を始めることが多く、購入者に引き渡される時には湿度が30%以上急落することも
国産材は、乾燥が不十分な場合もある。
密閉されたマンションの空間での急激な環境変化と、その後の乾燥した状態は、木材によっては、ひび割れなどの被害を起こしやすく、国産材がマンションで使われない原因の一つになってきた。
フローリングの床に、合板に木目を印刷した床材が多い理由ともされる
◇
「木材は、湿度が高い所では湿気を吸い、低い所では湿気をはき出す。
環境の湿度と平衡になろうとする特徴があるんです」。
横浜さんは、切り倒し、木材に加工された後も「木は生きている」と強調する
同ネットは、そんな木の特質に着目し、切り出した木材の乾燥工程を工夫した。
圧力容器の中で飽和水蒸気にさらすなどすることで、天然乾燥よりも状態の良い木材の開発に成功した
外材に比べて高価というイメージがある国産材も、製材時に出る端材や節のある木、間伐材などを歩留まり良く適材適所で使うことで、外材と同レベルの価格に抑えられるという
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