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- ID:
- 47344
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0821
- 見出し:
- 縄文時代の埋没木出土 坂井・五本、公民館で保存
- 新聞名:
- 福井新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news0/index.php?page=article&storyid=23213&storytopic=1
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- 【写真】
- 記事
-
福井県坂井市坂井町の九頭竜川用水パイプライン事業工事現場から、1本の埋没木が出土した。
住民が専門家に鑑定してもらったところ、縄文時代晩期の「オニグルミ」であることが判明した。
地元の文化財として公民館で保存していく。
埋没木が見つかったのは同市坂井町五本の工事現場。
掘削機を使った立て坑築造工事中の4月、地表から約6メートル付近の粘土層から出土した。
直径約1メートル、長さ7・3メートルあった。
近くに住む古川亨さん(72)が工事現場で見つけて譲り受け、近所の坪田盛衛さん(77)と調査に乗り出した。
五本区が京都大生存圏研究所に鑑定を依頼し、オニグルミであることが判明した。
さらに民間の調査会社による放射性炭素年代測定で、生育していたのは縄文時代晩期の2500~2800年前と分かった。
古川さんは「樹齢は測定不可能だったが、300年は超えているのでは」とみる。
樹皮がついていたことから「洪水などで倒木、そのまま埋没していたのだろう」と話している。
旧坂井町史などによると、当時この周辺は海退による陸化と山地の流水による浸食で、現在の坂井平野が形成された。
水稲耕作は弥生時代前期と伝えられており、坪田さんは「先人たちが食料源の一つとしてクルミを採取していたかもしれない」と思いをはせる。
2人は地区の宝として後世に伝えようと、この木を「神代オニグルミ」と命名し、根元の部分を輪切りにして五本公民館に展示保存した。
残りの部分で座卓を作り近くの神社に納めるほか、木片を製材加工、花台として各戸に配る。
古川さんたちは「五本のいにしえの歴史が出てきた。
地区を愛する気持ちの一助になれば」と話している
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