v11.0
- ID:
-
46932
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0723
- 見出し:
-
佐木島地区の守り神 「住吉さん」ほこらですよ
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hiroshima/news/20100724-OYT8T00033.htm
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- 【写真】
- 記事
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三原市沖に浮かぶ佐木島(鷺浦町)の須ノ上地区で、地域の守り神として信仰を集めてきた石のご神体「住吉さん」に、住民らの手で初めてほこらが設置されることになった。
長年、風雨にさらされていたご神体を気遣いながらも、ほこらを建てる業者探しに難航していたが、読売新聞の報道をきっかけに、寺社仏
閣に詳しい大工と出会い、完成。
25日に鎮座祭が行われる。
住民らは、過疎化が進む地域のよりどころにと期待しており、8月7日には、地元でご神体にちなんだ「住吉祭」を開き、里帰りする島の出身者らと楽しむ。
(長野祐気)
ご神体は、御影石とみられる直方体の石に屋根形の石を載せたもので、高さ約30センチ。
須ノ上港近くの歩道脇にまつられている。
世話役の新開稔さん(65)によると、伝承などはないが、住民らが地域の守り神として信仰し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈ってお供えなどをしてきたという。
近年は、ひびわれなど風化が目立ち、住民から「雨風にさらされ、かわいそう」「せめて屋根だけでも付けては」との声が上がっていた。
新開さんらは2008年頃、ほこらの設置を計画したが、「ちゃんとしたほこらを建ててくれる」身近な業者を見付けることが出来ず、ストップしていた。
そんな折、昨年5月22日付の読売新聞備後版に、尾道市久保の高尾稲荷神社の再建を伝える記事が掲載された。
記事を読んだ新開さんらが、神社を建てた尾道市長江、建築業豊田頼孝さん(63)と、長男の訓嘉(くによし)さん(34)に連絡を取ったところ、快く引き受けてくれたという。
製作費は住民71
人の寄付金223万円でまかなった。
約2か月かけて完成したほこらは、屋根の形が神社建築で代表的な流造(ながれづくり)で、ヒノキで組んだ構造部分には、くぎを1本も使わない宮大工の工法が取り入れられている。
三原市によると、佐木島の人口はこの20年間で40%以上減って917人(3月末現在)。
65歳以上の住民が58・61%と高齢化も進む。
新開さんは「須ノ上地区も住民が約半分に減って約90世帯。
お盆前には島の出身者が多く戻ってくるので、住吉さんを大切にすることを通じて、地元に愛着を持ってほし
い」と話し、海岸沿いで花火や飲食を楽しむ住吉祭の企画を練っている
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