v11.0
- ID:
- 役員の改選もあり、新しい理事に東栄町の森田昭夫町長を選任した
45816
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0428
- 見出し:
- 傑作スピーカー 25年かけ手作り 函館市芸術ホール元職員と大工
- 新聞名:
- 北海道新聞
- 元UR(アドレス):
- http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki2/228362.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
函館市芸術ホールの元職員高野富雄さん(62)と、友人で大工の鎌田博さん(58)が25年がかりで、1955年に米国の有名メーカーJBL社が製作し、同社初期の最高傑作と評されるスピーカーと同じ仕様のスピーカー2台を手作りで完成させた。
2人の労作は市内五稜郭町35のイタリア料理店「アクシス
」に置かれ、深みのあるサウンドを披露している。
2人が作ったのは劇場用を家庭用に小型化した「D30085ハーツフィールド」と呼ばれるスピーカーと同仕様。
2台とも横幅110センチ、高さ115センチ、奥行き59センチ。
内部の音の通り道が屈曲している折り曲げ式で、ラッパ状のホーンが組み込まれているのが特徴だ
高野さんは市民会館の技術担当として音響などに携わっていた25年ほど前、古いオーディオ雑誌に載っていたこのスピーカーの設計図を見て作ってみたいと思い立ち、鎌田さんに話を持ちかけた。
音を出す機械部分(ユニット)は既製品だが、60種類百数十点に及ぶ合板製の部品はすべて手作りだ。
2人は仕事の傍ら舞台装置を作る倉庫の片隅で「もうやめたら」と周囲に冷やかされながらも「執念で」(高野さん)こつこつと合板を削るなどして部品を作った。
わずかな狂いや、すき間ができると音がひずんでしまうため、ゆるむ可能性のあるくぎは使わず、のりとビスで組み立てた。
3年前に高野さんが退職してから一気に作業が進み、昨年3月にほぼ出来上がり、高野さんの自宅でアンプをつなげて音を出した。
今のスピーカーにはないまろやかな音に「広がりがあって柔らかい。
何時間聴いていても疲れない」と高野さん。
「自分で作ったものだからか、良く聴こえる」と鎌田さんも満足げだ
材料費は70万円ほど。
しかし「25年かかったことを考えれば、とてもお金に換えられない」と2人は声をそろえる。
アクシスではゴールデンウイーク明けごろまで月、金曜日の午後2~4時、このスピーカーを使ってジャズとクラシックを中心にCDやレコードを流している
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