v11.0
- ID:
- 46522
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0622
- 見出し:
- アイデア家具 商品化を模索
- 新聞名:
- 朝日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mytown.asahi.com/gifu/news.php?k_id=22000001006210005
- 写真:
- 【写真】
- 記事
-
大好きなペットや家族の写真をプリントした家具はいかが? 岐阜市の「タニグチ工芸」が、業界初という家具を考案した。
登録商標は「フォトワン」。
特色ある家具づくりで経営改善につなげたいところだが、ペット用家具を販売して一つも売れなかった苦い経験が同社にはある。
社長の谷口雅志さん(54)は、ど
のように商品化するか、慎重に考えている。
(青瀬健)
「フォトワン」は、テーブルや洋服ダンス、扉などの木製家具に、お気に入りの写真が入った「世界で一つの満足度」が売りだ。
家具の表面にメラミン化粧板という補強用の素材を用いるので、写真シールを張るのと違ってゴシゴシ磨けるのも強みだ
1990年の創業以来、スーパーや大学、病院の家具を作り、内装工事の注文も入るようになったため、2000年には建設業許可を取った。
大きな取引先が生産拠点を海外に移して受注が減ったこともあったが、さらに大きなピンチが訪れたのは、改正建築基準法が施行された07年6月だった。
耐震偽装事
件を受けて審査が厳格化・長期化する。
さまざまな業種で店舗などの建設計画中止が相次ぎ、売り上げが半減した
新規の顧客獲得のため、09年春から営業に回り見本市にも参加したが効果がない。
そんな頃、家で飼っているチワワの洋服入れを作るよう長女(21)に頼まれた。
聞けば、オーダーなら2万円ほどで市販されているという
それならとペット用タンス(9600円)を作り、8月にはHPに載せ住宅地でチラシを配ったが、問い合わせが1件あっただけで一つも売れなかった
前後して岐阜商工会議所に相談するうちに、ペットの写真が入った家具なら売れるのでは、という話に至った
取引先の化学メーカー「アイカ工業」(愛知県清須市)が、画像を印刷できるメラミン化粧板を発売したことを覚えていた谷口さんは、化粧板に写真を取り込めるか問い合わせ、犬の写真を使った小物入れを試作した
商議所から、ペットだけでは市場が狭いので、祖父母が孫に贈る机や慶事の記念品など、人間相手に対象を広げるよう助言を受け、これを盛り込んだ経営革新計画が今年3月に県に承認された。
更に、JR岐阜駅前に建つ「黄金の信長像」の寄付金名簿を保存する箱に採用され、4月に像の台座に収まっ
た
いよいよ本格発売、となれば弾みがつきそうだが、谷口さんは迷っている
想定しているネット通販だと、受信した画像の密度によっては元の写真と家具にした際の色調が異なる場合があるため、完成後のキャンセルといったリスクがつきまとううえ、実際に注文がどれだけあるのか読めない
かといって、見本品を大量に作ってどこかの店頭に置き、注文に応じて写真だけを差し替える方法を採れば、すぐにマネをされる可能性が高い。
何より、量産品ではなく、一つひとつの家具を受注生産してきた誇りがある
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