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- ID:
- 45765
- 年:
- 2010
- 月日:
- 0422
- 見出し:
- 木の彫刻:五戸町の米田佳造さん、独学で取り組み3年
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元UR(アドレス):
- http://mainichi.jp/area/aomori/news/20100421ddlk02040114000c.html
- 写真:
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- 記事
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◇仏像鑑賞好きが、鉄工所たたみ挑戦 奥深さ知り師事、「技」習得へ--米田佳造さん(70)
五戸町の米田(まいた)佳造さん(70)が3年前から独学で木の彫刻に取り組んでいる。
35年間経営してきた鉄工所をたたんだのを機に始め、これまで約200点を作ってきた。
「彫っていると夢中になって時間を忘れる」と、鉄から木への感触の変化を味わっている。
米田さんは八戸工業高校を卒業し、東京都内のサッシ製造会社に勤めた。
数年後、かじ職人の父が住む五戸に戻り鉄工所を開いた。
元々、神社仏閣を巡り、仏像などを鑑賞するのが好きだった。
「いつかは自分も彫ってみたい」。
そう思っていた。
初めに手掛けたのは十二支の動物。
知り合いから端材などを譲ってもらい、切り出しナイフや小さな彫刻刀で犬や鶏などを彫った。
やがて写真集から図面を起こし、仏像にも挑戦するようになる。
大きな無垢(むく)の素材は高価なため、もらった木材を張り合わせて制作。
「乾燥を待ちきれず、半生乾きの木材で作品を彫って、割れてしまったこともありました」と振り返る。
たくさんの像を作ってきたが、最近は「彫ることが怖くなった」と話す。
仏像の顔、特に目を彫る段階で彫刻刀を持つ手が止まる。
「目を彫ってしまうと作品(の良しあし)が決まってしまうと思うと、次へ進めない」。
奥深さを実感している。
基本を習得しなければこれ以上はできないと感じ、6月ごろから弘前市内の彫刻家の元へ通い、教えを請うことにしている。
自宅の父の仕事場だった所が工房になっている。
夜明け前から彫刻刀を握る。
「作品は近所などお世話になった人たちに差し上げたいが、素人の作品だからといって中途半端な物を贈るわけにいかない。
そのためにも技を身につけたい」
完全な作品を目指して歩み続ける姿勢は鉄に向かっていた35年間と変わることがない
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