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毎月第一日曜日になると、笠間市にある福田建設の工場に、二十代から三十代の若者たちが集まってくる。幼児用のいすを造ったり、ログハウスを建てたりと、それぞれのレベルに応じた作業を行う。大工塾塾
長の福田定利さん(54)は時には自ら大工道具を手にしながら、一人一人に指導する。
「今、現場で作業しているのは“大工”じゃなくて“作業員”なんです」。福田さんは強調する。
家造りは現在、工場で加工された木材を現地で組み立てる工法が主流。大工たちは木材を加工する必要がない。しかし、機械は、職人である大工のように知識や経験を元に木材を加工するわけではない。木の特質を
生かせない木材で造られた家は、従来の工法で造られた家よりも耐久度が低くなる。
三十五年にわたって大工を続けていると、機械化された工程に組み込まれた大工たちが自分たちと違う職種に思えた。そんなとき、「百年たっても住める家」を目指す特定非営利活動法人(NPO法人)「やみぞの森」の
中村昌平理事と意気投合して、後進に技術を伝承することを決意した。
塾を開いたのは三年前。県内外から大工見習いや大工を続けて十年以上の若者たちが集まったが、あまりにも基本を知らないことに驚いたという。機械化された作業に慣れた若い大工は、くぎ打ち機や電動かんななど
十数点の道具しか使わない。本来、大工が用いる道具はのこぎりやかんな、墨つぼ、ちょうななど八十点近くにも上る。年間を通した講義の最初はかんなの刃の研ぎ方や、大工の心得を教えることになった。
「ここに来る子たちはかわいそうです。親方がいるのに何も技術を教わっていないんだから…」と、若い人たちだけではなく、大工の世界に危機感を募らせている。
それでも、「わざわざ仕事の合間に通ってくるのだから、若い人も、伝統の技術を学びたいと心から思っているんですよ」と、若者たちが熱心に学ぶ姿に目を細める。
塾生が育つことは、ライバルを育てることにもつながる。しかし、「若い人の面倒をみるのが好きなんですよ」。何よりも、“本当の大工”を育てることが、家を造る側だけでなく、住む人にとっても重要と信じている。+/
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