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和歌山県田辺市内の機器製作業者が、間伐材や剪定(せんてい)枝などの産業廃棄物を燃料にできる業務用の温水器を開発した。木質ペレットや木質チップを使う温水器と比べると、燃料の購入費用を削減でき
る。ビニールハウスや宿泊施設などでの利用をPRしている。
田辺市本町の沖野機械が企画し、同市秋津川の服部製作所が設計、製造した。新産業を支援する県の補助金制度の認定を受けた。
この温水器は、従来産業廃棄物として処分していた間伐材や剪定枝、端材などの木材、樹皮を燃料として直接焼却炉に入れることができる。
県内の山林では間伐で倒されたままの木があり、梅やミカンの剪定枝や、製材所で出る端材は焼却処分される場合が多い。これらの木材を木質バイオマスエネルギーとして有効利用できる。
木炭自動車の原理を応用し、木材から発生する可燃性ガスを燃焼させて、タンク内の水を温める。発生する熱量は樹種や乾燥具合によるが、1キロ当たりで3500キロカロリーほど。重油や灯油と比べると劣るが、木
質ペレット(1キロで4037キロカロリー)の約87%、木質チップ(同1900キロカロリー)の約1・8倍になる。710リットルの水が1時間半で1度から82度、6度からなら93度まで加温できる。
価格の変動はあるが、1キロワットを得るのにかかる費用はA重油が5・4円、木質ペレットが11・7円、木質チップが5・7円ほど。木材はトラック1台分(300キロ)を5千円で引き取ったとすると、4・07円になる。ただし
、県内では実際はこれよりも低価格で入手できるという。
効率よく燃焼するため、実験では一度に投入できる130キロの端材を燃やして残った灰は800グラムだった。炉内には発生した煙を焼き消す装置もついている。さらに別添えの大型サイクロンでばいじんを分離させ
て取り除くことができる。
炉本体は高さ約2・4メートル、幅約1メートル、奥行き約1・6メートル。サイクロンは幅、奥行き約1・2メートル、高さ約2・4メートル。煙突を含むと高さは約7メートル。用途、要望に合わせて大きさの変更が可能という。
ビニールハウスの加温、製材所の木材乾燥室の加温、集会所などの暖房・給湯、温泉や浴場の加温、施設の床暖房などでの利用を想定している。
沖野機械の沖野立夏社長(49)は「自治体に率先して導入してもらい、廃棄物を活用してもらいたい。CO2の削減にもつながる。安定的に燃料となる木材が供給できれば、民間業者も使いやすくなる」と話している。+/d
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