ID : 1635
公開日 : 2006年 9月11日
タイトル
田辺市龍神村小家(3)龍神の木に夢託し
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新聞名
紀伊民報
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元URL.
http://www.agara.co.jp/modules/tokushu/article.php?storyid=107604
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元urltop:
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写真:
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田辺市龍神村は山林面積が95%を占める。林業が盛んだったが、いまは国産材の価格低迷で苦境に立たされている。そんな中、龍神村小家地区で、龍神の木に夢を託している人たちがいる。
一人は地域で唯一の建設業を営む川口明久さん(46)。4年前、製材所の新設に踏み切った。建設業だけでは生き残れないと、仕事の幅を増やした。
高度成長期のころ、旧龍神村では隣の日高川町にある椿山ダムや国道の建設ラッシュで、建設会社が一気に増えた。2000年の国勢調査では、15歳以上の就業者の中で建設業に従事する人の割合は17・5%となり、
全国、県内、旧田辺市のそれぞれ平均10%前後を大きく上回った。
川口さんの会社もその一つ。従業員は14人。龍神村の建設会社の中では規模が大きい方だ。
3年前に父から会社を引き継いだが、公共工事は年々減っている。昨年の市町村合併で道路の新設は大幅に減り、道路の舗装修理や急傾斜対策など小さい規模の工事が中心だ。龍神村に建設会社は23社あるが、昨年
度中に2社が廃業し、1社が地域外に移った。
「廃業できるならしたい。けれども、従業員のことを思うとできない」。そこで、龍神の木の有効利用を考えた。
製材所では龍神産の木を使って、燃えにくい建材「不燃材」などを製造している。4年目にして軌道に乗り始めた。
「待っていても仕事は増えない」と、公共事業でもっと木を使ってもらうよう、月1回は県庁へ要望に行っている。
もう一人は3年前、旧田辺市内から小家へ移住した松本晋平さん(39)だ。龍神村丹生ノ川出身。結婚して田辺市に住んでいたが「自然の中で子育てをしたい」と、小家にUターンした。
実家で山を所有していることから林業や農業で生計を立てていたが、生活は楽ではなかった。
小家に来たばかりのころ、地元のイベント「翔龍祭」の実行委員として、チェーンソーアートの第一人者、城所啓二さん(39)を愛知県東栄町から招いた。チェーンソーで丸太を削り、動物などの作品に仕上げる仕事に
刺激を受けた。
城所さんが龍神にほれて移住してきたのを機会に、その技法を学んだ。昨年、作品が売れ、この世界でやっていく決意を固めた。
意気込みが見込まれ、昨年から城所さんの会社と彫り手の契約を結んだ。最近は木彫りショーの仕事も増えてきた。
まだ「アート」だけでは生活できない。農林業のほか、梅採りのアルバイトもしている。しかし「収入は不安定だが、先行きは明るいと信じている」と松本さん。ひたすら木を彫り続けている。
('06/07/11)
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