ID : 1544
公開日 : 2006年 8月25日
タイトル
植物から作る燃料「バイオエタノール」…原料に木材 高まる機運
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://osaka.yomiuri.co.jp/eco_news/20060827ke02.htm
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元urltop:
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写真:
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地球温暖化防止に向けて、二酸化炭素(CO2)の排出抑制に役立つとして、植物から作る燃料「バイオエタノール」を自動車に使う計画が県内でも進んでいる。大学、企業、行政が連携して活用策を探る「おかや
ま木質バイオエタノール研究会」が発足。真庭市に三井造船(東京)が建てた実証プラントは、昨年から稼働している。県総面積の約70%は林野。環境問題だけでなく、風倒木の大量供給が価格低下に大きく影響してい
る県産材の需要喚起にも役立ちそうで、実用化が期待される。
(竹上史朗)
新たに発足したバイオエタノール導入に向けた研究会。地域活性化などの期待がかかっている(岡山市内で) 「環境問題や林業振興など、付加価値は非常に高い」「市場性もある。実現を目指そう」――。岡山市内で24
日あった研究会設立総会で、前向きな意見が相次いだ。委員は会長を務める神崎浩・岡山大農学部教授をはじめ、三井造船、内閣官房などの16人。県や真庭市、地元の真庭森林組合も参加した。
委員たちは「バイオエタノールは世界的に注目を集めており、岡山県でも汎用(はんよう)的な製造による新たな雇用や産業の創出を目指す」とした設立趣意書に、拍手で賛同。三井造船環境・プラント事業本部の長拓
治・事業開発部課長を講師に、今後の展望や課題を考えた。
バイオエタノールは酵素などを加えて糖化した後、発酵させて生成する。世界的に導入が進んでおり、現在の主原料はサトウキビやトウモロコシ。米国ではガソリンに10%混ぜた「E10」が普及し、ブラジルは20~25
%混合することを義務付ける。ガソリンとして使った場合、京都議定書で削減することになったCO2は排出するが、光合成する植物が原料のため、計算上、排出しないことにされる。
国内では、3%混ぜた「E3」が「揮発油等の品質の確保等に関する法律」で認められており、石油連盟は2010年度、年間約36万キロリットルを、ガソリンに混ぜることを目指す。現在、真庭市や山形県新庄市、沖縄・宮
古島など6か所で製造している。
真庭市では真庭産業団地に実証プラントが建てられ、地域に豊富な木材を原料に製造。固い樹皮が邪魔するため、サトウキビやトウモロコシより糖化が難しいが、何より、低迷する林業の需要創出につながるメリットが
大きい。
課題は製造コストと原料の供給体制。実用化するには、本格的な設備投資が必要で、通常のガソリンよりも高値になりそう。とはいえ、原料費を抑え過ぎれば、ただでさえ疲弊している林業家の意欲をさらにそぎ、供給
不足につながりかねない。委員として参加した星原達雄・真庭森林組合代表理事は、メリットを認めながらも、「原料費の価格はよく考えて」と訴える。
研究会では今後、実証プラントの見学も予定している。西満寿男・県産業労働部長は「難しい課題はあるが、岡山ならではの方法で解決し、実用化したい」。真庭郡木材事業協同組合の鳥越康生組合長は「原料供給側
として大いに期待している。地域活性化にも、役立つ」と見守っている。
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