ID : 11595
公開日 : 2009年 5月 3日
タイトル
間伐量上乗せ 「机上の空論」 県森林計画 市町村から批判の声
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新聞名
山梨日日新聞
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元URL.
http://www.sannichi.co.jp/local/news/2009/05/05/3.html
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元urltop:
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写真:
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山梨県が進めた県内3地域の森林計画見直しで、県が過去5年間の実績とかけ離れた間伐計画量を設定、関係者から「実現性のない数字」と指摘する声が上がっている。地球温暖化防止に向けた国の新計画
を受け、間伐量の大幅上乗せを迫られたため、実績の3.6倍の計画量を設定したケースもある。県は「間伐を促す事業を普及させ目標達成に努めたい」としているが、市町村の関係者間では「林業の現状を無視した数
字で机上の空論」との批判も出ている。
県森林環境部によると、県内は山梨東部(富士・東部)、富士川上流(中北、峡東)、同中流(峡南)の3地域で森林計画を設定、市町村森林整備計画のモデルとしている。国が昨年度、全国森林計画の間伐量を大幅に増
やしたため、県計画を見直した。
国計画を基に割り当てられた間伐量から、当面10年間の計画量を山梨東部は現行計画より13・5%多い79万8000立方メートルに設定。富士川上流は19・2%増の81万6000立方メートル、同中流は16・1%増の4
2万1600立方メートルに変更した。
しかし、過去5年間の間伐実績は当時の計画量を大きく下回っている。富士川中流は2000-04年度の実績が8万7300立方メートルで達成率は70%。見直し後の前期5年計画量は実績の2・3倍となる計算だ。山梨
東部も04-08年度の実績(見込み)は20万2500立方メートルで計画量の55%と低迷しているが、新たな計画量(前期5年)は約2倍。富士川上流は過去5年の実績が計画量を上回ったが、新計画量(同)は実績の3・6
倍に当たる41万2400立方メートルとなった。
林野庁は間伐計画量について「国内の森林機能を適正に維持するための目標値で、達成を目指す必要がある」と説明。県森林環境部は「実績との差に大きな開きがあることは認識しているが、国の方針もあり、山梨県
だけ実績に合わせた量にするのは難しい」としている。
県は間伐促進に向け、大型重機のレンタル料補助事業や効率的な作業道整備についてアドバイスする専門家の育成事業を展開。企業が県内で行う森林整備を二酸化炭素吸収量に換算して評価する認証制度の導入も
予定していて、「事業や制度を周知し、できるだけ森林所有者に間伐を行うよう働き掛けていく」としている。
ただ、中央市など県内3カ所にある木材市場の木材価格を見ると、昨年4-9月の平均価格はスギ丸太1万1000円、ヒノキ丸太1万9300円で、10年前に比べ、それぞれ35%、33%下落。早期の回復も見込めない
ため、県の新計画を基に地元の森林整備計画を策定する市町村からは困惑の声が上がっている。郡内地域のある市の担当者は「木材価格が上がらなければ、森林所有者が整備しようという気にならない。目標量を増や
して設定しても、実態が伴っていない以上、計画自体が絵に描いたもちになる」と指摘している。
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