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ID : 1239
公開日 : 2006年 6月24日
タイトル
「原始の森」脅かす開発…希少種の宝庫・細見谷
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://osaka.yomiuri.co.jp/izumi/iz60625a.htm
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元urltop:
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写真:
 
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西中国山地の渓谷に、希少動植物の宝庫があるのをご存じでしょうか。広島県廿日市市北部の細見谷。五里山と十方山に挟まれた渓流に沿って、「渓畔林」という森が4・6キロにわたって続きます。今や、スギや ヒノキの造林地ばかりの山々にあって、太古の自然が残る場所なのです。
 梅雨が小休止し、晴れ間がのぞいた今月10日、広島市の自然保護団体「森と水と土を考える会」が主催した現地視察会に同行し、細見谷を歩きました。
 生い茂るブナやトチ、サワグルミの巨木が日差しを遮り、森はひんやりした外気に満ちています。「気持ちいい」「空気が違う」と目を輝かせる参加者ら。深呼吸するだけで、体の隅々までが洗われるようなすがすがしさ です。
 原始の森は生命をはぐくみます。中国山地で絶滅の危機にあるツキノワグマが自然繁殖し、希少猛きん類のクマタカも営巣するそうです。渓流には、特別天然記念物のオオサンショウウオも生息しています。
 〈けた外れに種の多様性に富む、西南日本では他に例を見ない存在。国レベルで第一級の保全対象とされるべき〉。2003年、日本生態学会が渓畔林の価値を認め、国や県に保全を求めたのもうなずけます。
 その渓谷が今、開発と保護の間で揺れています。考える会代表で、案内役の原戸祥次郎さん(55)が言います。「大規模林道の工事が迫っているんです。着工されたら、貴重な生態系が危機にさらされる」  大規模林道の整備構想が策定されたのは、1969年。全国32路線、総延長2000キロに及び、細見谷も組み込まれました。木材搬出用でしたが、国産材は低迷が続き、かつて自然林の皆伐と造林を進めた林野庁は、 すでに細見谷一帯で木材を生産していません。
 それでも、名称を「緑資源幹線林道」、目的を「森林整備やレクリエーション用」と変えて、独立行政法人「緑資源機構」(旧森林開発公団)が細見谷を縦断する路線(13・2キロ)の建設に動いているのです。
 「自然に配慮する」という機構側は、渓畔林を通る区間は道路幅を規格の7メートルから3メートルに狭め、場所によってはアスファルト舗装を砂利道にして、早期着工を目指していますが、大規模林道に緊急性があると も思えません。なぜ、工事を急ぐのでしょうか。
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