ID : 11469
公開日 : 2009年 4月20日
タイトル
塀の中にも不況風、家具作りなどの受注が激減/横浜刑務所
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新聞名
神奈川新聞
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元URL.
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryivapr0904537/
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元urltop:
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写真:
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不況の波が“塀の中”にまで押し寄せている。刑務所の受刑者が行っている家具づくりなどの作業の受注が、急激に落ち込んでいる。横浜刑務所(横浜市港南区)では、リサイクル作業を請け負うなどして仕事量
を何とか確保している状況。刑務作業は、懲役刑であると同時に更生支援の側面があり、見守る看守は「本当は、やりがいがあるものづくりに携わらせたいのだが…」と複雑な表情だ。
法務省矯正局によると、刑務所など全国七十五の刑事施設で行われている刑務作業の収入は、二〇〇八年度で計約五十三億円。前年度比で一割近い約五億円、落ち込んだ。
県内最多の約千四百人が服役する横浜刑務所では昨秋以降、発注元の民間企業からの解約や減産の申し入れが相次いでいる。受刑者は十七の作業場で一日七時間以上、木材加工や溶接、うどんづくりなどにあたって
いるが、仕事の確保に頭を悩ませているという。
「何もやらせないわけにはいかず、小口の仕事を数多く受けることでしのいでいる」と佐藤実看守長。結果、ちらしの袋詰めや紙袋の折り加工といった単純作業が増え、最近では使用済みの携帯電話の分解にも取り組む
ようになった。
以前は三十万円以上する高級家具の製作も手掛けていたが、そうした発注は今ではまれ。佐藤看守長は「手間のかかるものづくりに取り組んでこそ、技能や忍耐が身につく。不況でぜいたくは言えないが、やりがいのあ
る作業をやらせたいのが本音」と表情を曇らせる。
刑務作業は、刑の執行であると同時に社会復帰のための職業訓練も兼ねている。袋詰めなどの単純作業ばかりでは訓練にならず、関係者の一人は「ただでさえ仕事がない状況。技術がなく、仕事も見つからなければ
生活に行き詰まってしまう」と、受刑者の出所後の暮らしと、再犯を懸念する。
横浜刑務所に服役するほとんどが再犯者ということが、悩みをより深くする。千二百人の定員をオーバーする状態がここ数年続いており、独房に二段ベッドを入れるなどして対応に苦慮している。佐藤看守長は「景気悪
化とともに犯罪は増える傾向があり、この先どれだけ受刑者が増えるか心配だ」と、塀の内外で影響を及ぼす景気の行方に気をもんでいる。
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