ID : 11437
公開日 : 2009年 4月22日
タイトル
森づくり共に歩む 坂本龍一さん下川町視察
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000904210007
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元urltop:
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写真:
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「人の手で健康に」
音楽家の坂本龍一さんは20日、上川支庁下川町で森林整備事業を始めるため、視察を行った。坂本さんが代表を務める有限責任中間法人モア・トゥリーズは、下川町など4町でつくる森林バイオマス吸収量活用推進協
議会(会長=安斎保・下川町長)と協働で森づくりを進め、森林の二酸化炭素(CO2)吸収機能を活用して温暖化対策と地域の活性化に役立てる。
坂本さんは排出したCO2を森林整備などで相殺する「カーボンオフセット」に取り組んでいる。モア・トゥリーズは国内外でプロジェクトを手がけており、国内では高知県内の2カ所に続き3カ所目。前夜の札幌でのコン
サートを終えて現地入りした坂本さんは下川町渓和の町有林で、アカエゾマツの枝打ちや安全祈願を行った。枝の香りを「変イ長調のような少し濃厚だけど、洗練された素晴らしいにおい」と表現した。
下川町と十勝支庁足寄町、網走支庁滝上町、同支庁美幌町の4町は、制度設計委員会を設け、カーボンオフセット制度について議論してきた。今年度から「間伐促進型」の森林管理プロジェクトとして事業化し、環境省
の森林のカーボン・オフセット制度の第1号として申請を目指している。
モア・トゥリーズは21日に旭川市内で協議会と協定を結んで事業に協力し、協賛金を出す。期間は13年3月末まで。環境省から認定されれば森林整備で生じる森林吸収量は坂本さんの音楽活動や、都市部で排出され
るCO2を相殺するのに役立てられる。
坂本さんは「森林は放っておくと不健康になる。人間が手をかけて健康にしないといけない。そのためにはお金がかかるが、寄付やみんなの協力で森林を健康にすればCO2の吸収量が上がる」と語った。モア・トゥリー
ズの水谷伸吉事務局長は「将来は間伐材を活用し、木工品などのグッズも出したい」と話した。
■「木を育てCO2減 風土にあった取り組み」
坂本龍一さんに、北海道を新たなプロジェクトの地に選んだ理由や、北海道への思いを聞いた。
――新たなプロジェクトの地に下川町を選んだ理由は。
4町での協議会もあり、北海道の中でも積極的。ボクらも時間をかけて話し合い、目的が一致した。北海道という風土に合った取り組みをこれから何年かかけてやっていくので、楽しみにしている。
――モア・トゥリーズを始めた理由は。
この取り組みには反対する人がいない。世界では1日にサッカー場1個分の森がなくなっているそうで、単純計算すると30年ごろには地球から森がなくなる。温暖化のスピードは加速度がついている。森を増やして排
出を減らす方向にベクトルを変えなければ、人間が住めない星になってしまう。
――カーボンオフセットの意義は。
日本人1人年間10トンのCO2を出しているといわれる。出した分をプラスマイナスゼロにするのがオフセット。CO2を吸収するのは海と森林。海は人工的に増やせないが、森林は増やせる。CO2を減らすには様々
なやり方があるが、森林で、というのはまだ少ない。何十年という時間がかかり、ハードルも高い。ただ、木が育てば売ることもできる。経済的にいい回転が始まり、人の生活も潤う。素晴らしい仕組みだ。
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