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ID : 10781
公開日 : 2009年 3月 4日
タイトル
木材の地産地消で200年住宅 畑や収入付きも投入  三澤千代治氏
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新聞名
フジサンケイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/for-page/teigen/200903040002o.nwc
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元urltop:
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写真:
 
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住宅コンビナート構想 地域活性化にも寄与  「日本には築後200年を経過した建物が1万棟も現存している。このうち、リフォームを行っていないにもかかわらず、性能を維持しているのが344棟だ。理由を調べたが、結論は簡単。地元の木を使用しているから だ。木は気候に大きく影響され、緯度が1度変わるだけで調子を崩す。育った場所で使うという地産地消の考え方が正しい。また、柱は太く、木の部分は空気に触れるようにしているため、高耐久性を実現している。家を 長持ちさせることは、結果として二酸化炭素(CO2)排出量の削減につながる」  --200年住宅の実現を目指すミサワインターナショナルの「HABITA(ハビタ)」ブランドは、そうした要素が盛り込まれている  「乾燥材による頑丈な骨組みとし、仕上げ材で覆わず、そのまま見せる『現(あらわ)し』の構造としている。事業展開に当たっては、地域工務店との連携を推進。地産地消を重視し、地元で伐採された木材を活用して、 HABITAブランドの家を建てていく。一方、住宅は方言みたいなもの。県をまたぐと、ありようが異なる。気候風土が違うので、それに応じたやり方が必要。構造体は同じだが、仕様については、全国を15ブロックに分け て変えている。ただ、品質を追求するだけでは、200年住宅の実現は不可能。外観のデザインにも配慮する必要がある。デザインが良いことが大前提。超長寿命住宅の共通事項だ」  --地産地消というビジネスモデルはどういった効果をもたらすのか  「一般的に、建築費に占める物流費の割合は大きい。木材は東南アジアや北米、北欧などから調達され、日本国内でも集成材工場やプレカット工場などを“走り回る”からだ。必然的に、一連の過程でのCO2排出量は多 くなってしまう。これに対してHABITAの場合、物流費は一般の10分の1で済み、コスト削減にもつながる。当社では『住宅コンビナート構想』を持っている。製材や防腐加工、プレカットなど、建築現場に運ぶまでの工程 に一括して携わる拠点のことで、地元の木材関連業者がすべて集まることになり、地域の活性化にも寄与する」  --ところで、景気後退の影響は深刻で、新築住宅の着工が低迷している。打開策は  「200年住宅というネーミングが浸透してきたことで、幸いにもHABITAの集客力は決して悪くない。しかし、超長期だけでは通用しない。大企業があれだけ人員削減に踏み切れば、『家を建てるどころの話ではない』と いった雰囲気が蔓延(まんえん)してしまい、販売棟数がさらに減る恐れがあるからだ。事実、80年前の米大恐慌では、同国の新築市場が10分の1にまで縮小した。このため、弊社では4月から、不況突破作戦と題した 商品戦略を本格的に展開する」  --具体的には  「マンション市場では、販促対策として値引きが行われ、2割下げれば売れる。このため、『価格企画住宅』という商品を今回投入する。部資材メーカーや工事会社の協力を得ることなどによって、本来なら3.3平方メ ートル当たりの価格が50万円の商品を、税抜きで40万円を切るレベルにまで落とすことに成功した。当然ながら、性能は落としていない。一方、生活防衛から食糧を自給自足する動きが増えると判断。『畑付き田園住宅 』を各地域のデベロッパーと協力しながら供給していく。また、3階建てで2~3階を住生活空間とし、1階を賃貸など収入が得られる多目的空間とする『収入付き住宅』も発売する」                  *   *  --ミサワインターナショナルの今後の経営戦略は  「『HABITA10年計画』という長期計画を立ち上げる。提携企業を増やし、その中から年間500棟を販売する50社の上場企業を誕生させるなどして、10年後には年間10万棟のHABITAブランドを供給できるように する。また、住む人が債務を継承する『100年住宅ローン』の制度化も提唱している。毎月の返済額が安くて済み、消費も活性化する。景気が戻ってきても、電機・IT関連では、台湾などの激しい追い上げによって日本が 苦戦するのは必至。100年住宅ローンのような内需拡大策を真剣に考えなければ、日本はボロボロになってしまう」                    ◇  ■木材露出の「HABITA」の家 肌合い、香りなど体感  住宅は一般に、室内空間がビニールクロスで覆われている。これに対し、HABITAブランドの家は、「こうした家に対するアンチテーゼ」(三澤千代治社長)という考えから、クロスを貼らずに、木材を表面に露出させた「 現し」という構造を採用している=写真。  HABITAでは、五寸角(150ミリ)の柱を使用するなど、頑丈な骨組みを売り物としている。「地震に対して丈夫といったように、建物の性能の良さを分かりやすく訴えることができる。お客さまに難しい説明を行わなくて 済む」(同)といった点が、現し構造の効用の1つだ。  また、木材の肌合いや香り、景色、響き、空気の良さを体感できる五感の家でもある。  実は、木材は熱伝導率が小さく、手から熱が逃げにくい素材だ。これは、断熱性に優れていることを意味している。  また、木には細かい凸凹があり、肌の接触面が減って温かく感じる。現し構造にしたことで、手や足の触覚によって、木材の特性を十分に吸収できるというわけだ。この凹凸は光を分散し、光を柔らかくするという役割も 果たす。  さらに、スギから匂うほのかな香りはストレスを癒し、ヒノキの香りは安らぎを与えるといったように、嗅覚面での効能も大きい。何となく空気が美味しい、という感覚を得ることができるのは、木材によるフィトンチッド効 果だ。  聴覚に関しては、不快感を与えず、ほどよい残響音を残すという、木材の特性を生かす。このため、室内ではあえて、過度な防音対策を施していない。  例えば、2階の子供部屋で騒ぐと、階下に音が伝わるが、「元気に遊んでいるな」と安心するのが普通の親心。木は家族の親密度を測るバロメーターでもある。                    ◇  ■環境対策に力発揮の木 伐採時樹齢の4倍もつ  世界の森林面積が急速に減少している。三澤千代治社長は、「木材の使用効率を森林の成長に合わせる『資源同調』を実行しない限り、地球上の森林資源の枯渇を招くことになる」と警告する。  例えば、40年かけて育ってきた樹木は、少なくとも40年間は使わなければ、資源が減っていくことになる。だが住宅に使われる建材は、1本の木の35~40%しか使われておらず、60%以上は、燃やしたりゴミになっ たりして、短命で消えてゆく。この60%を0年の使用として、40年後の資源同調を残りの40%で取り返すには、100年の使用が必要となる。60年材であれば150年が必要だ。  日本の住宅は、欧米諸国に比べて建て替えまでの寿命が短いため、木材は“短命”というイメージがあるが、実は、伐採時の樹齢より4倍長持ちするといわれている。戦後間もなく植えた木は、今60歳になっており、24 0年は使えるという計算に。  法隆寺に使用される木材は、樹齢500年以上で、計算上は2000年以上もつことになる。現実に、世界最古の木造建築物として残っている。  木造住宅は「世界の木材生産量から考えると、200年以上持たせないと、木材の生長が追いつかなくなってしまう」(三澤社長)。地球温暖化対策を進めるには、二酸化炭素(CO2)を吸収する木材が重要な役割を果た す。200年住宅の普及は、地球環境問題にとっても重要な課題である。   
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