ID : 9811
公開日 : 2008年 12月11日
タイトル
露、丸太輸出関税引き上げ延期の意向
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news/20081211-OYT8T00027.htm
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元urltop:
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写真:
木材業界の記事です
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ロシアからの北洋材輸入で、全国1位の本県製材業界が、露側の税率の変更に困惑している。ロシアがいったん、来年1月からの丸太輸出関税を80%に引き上げる方針を示しながら、その後に延期する意向を
表明。大幅引き上げの回避に一息つく一方で、ロシアの判断が経済危機を受けた一時的な措置の可能性がある上、北洋材の長期低迷で、輸入加工の先行きが見えないためだ。(柳沢亨之)
「先行きは依然不安だ」。県内の製材会社など17社が出資する「富山港北洋材荷受協同組合」(富山市)の田辺嶽之理事長は、手放しで喜べない事情を語る。
業界内では、80%への急激な関税引き上げは「事実上の禁輸」とみられ、同組合は在庫確保などに追われてきただけに、今回の方針を「どちらかと言えば歓迎」とみる。
だが関係者は「ロシアはいずれ引き上げる」とみる。「田島木材」(富山市)の黒田貢社長は「原木輸出各国とも付加価値の高い加工に移行し、ロシアも例外ではあり得ない」と語る。同社は旧ソ連時代の1991年に露側と
の合弁で現地加工会社を設立。昨年の関税引き上げ発表を受け、今夏に丸太挽きから全面撤退した。
ロシア政治に詳しい富山国際大の鈴木康雄教授によると、延期方針は、今秋以降の金融不安や原油価格低下を受けた緊急的な外貨確保策の色彩が濃い。鈴木教授は「水産資源も含め加工品輸出を強める方針に揺る
ぎはない。延期は手直しに過ぎない」と分析する。
業界には、輸入市場の長期縮小への懸念も強い。林野庁によると、北洋材の入荷量は97~2006年に約399万立方メートルから約211万立方メートルとほぼ半減した。
県内でも同期間に約120万立方メートルから約82万立方メートルへと約3割減り、工場数も152か所から74か所へと半減。今年も原木輸入の減少は止まらず、「危機的な状況」(田辺理事長)だ。
背景には、原木の仕入れ価格が高騰する一方、上昇分を製材の販売価格に転嫁しにくい事情がある。同庁によると、北洋エゾマツ丸太の価格は05年~07年に35%上昇したが、製材品の上昇は29%。発展著しい中
国の需要増などの影響とみられる。その一方で、昨年の建築基準法改正で住宅市場が冷え込み、需要は伸び悩む。
ただ、ロシアでの現地加工に移行する動きは鈍い。田辺理事長は「何度も検討したが、年率10%超のインフレを抱える国では採算が合わないと考え、あきらめた」と話す。現地加工する日本企業は3社程度に過ぎず、
ロシアに進出した業者は、「税率引き上げ延期は逆に首相の一声で全面的に政策が変わる政治的リスクを示した」と警戒する。
※丸太輸出関税 原木価格にかける輸出税。元々6・5%だったが、昨年2月のロシア政令で、同7月に20%、今年4月に25%、来年1月に80%へ引き上げることが決まった。プーチン露首相は11月12日、フィンランド
首相との会談で「80%への引き上げ」を9~12か月延期する意向を示した。
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