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ID : 9094
公開日 : 2008年 10月16日
タイトル
紅葉に染まる支笏湖畔の国有林で植樹する
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新聞名
JanJan
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元URL.
http://www.news.janjan.jp/column/0810/0810150484/1.php
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元urltop:
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写真:
複数の写真が掲載されていました
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朝日新聞北海道支社が企画した「環の森 NEXT50」の植樹会に参加した。支笏湖東側の樽前山の山麓に広がる国有林が会場。”ちょいボラ”(ちょっぴりボランティア)で汗を流し、環境問題を考える良い機会に なった。
 ナナカマドの実が真っ赤に色づき、北海道は燃えるような紅葉の季節を迎えている。
10月5日(日)、朝日新聞北海道支社の創立50周年記念事業として企画された「環の森 NEXT50」の植樹会に参加した。「創立50年」は、札幌で現地印刷を開始し半世紀の節目であり、次の50年を見据え、決意を新た にしよう、ということだろう。新聞は紙がなければ刷れない。紙の生産には、パルプ材が欠かせない―と、意地悪く考えることはない。自ら汗を流し、環境問題を考える良い機会になった。
   絶好の秋日和に恵まれた。午前9時出発の時間より30分早く同支社前に行くと、派手なデザインの観光バスに、人々が続々と乗り込んで行く。時間を間違えたかな?と思ってよく見ると、同じビルにあるホテルから中国 人の観光ツアー客が出発する所だった。ひとしきり喧騒を残して発車すると、われわれが乗るバス2台が入って来た。
 主催者によると、2歳から84歳までの79人。事前申し込み制だったので、参加者一人ずつに生年月日付けの新聞第1面のコピーが配られた。小生の生まれた1937(昭和12年)は、日中戦争が勃発した年だ。紙面は勿 論、戦火一色―。ああ、こんな物騒な年に生まれたんだ―という感慨にしばし耽った。
 バスは、札幌冬季オリンピックの主会場になった真駒内を抜け目的地の支笏湖を目指した。途中、自然環境研究室主宰の鮫島淳一郎さんがマイクを握り「森の土壌は、落ち葉が作る腐葉土が厚いほど豊かな生態系を 持っている。全部伐ってしまったり、風倒木被害で無くなったりすると、豊かな土壌も失われる。(これから私たちが行う)植樹は、それを元に戻すお手伝い」と、レクチュアーしてくれた。
 支笏湖は、千歳市西端にあるカルデラ(火山性陥没)湖。周囲40㎞、面積77・3km2で、7月にサミットが開かれた洞爺湖(面積69・4km2)より、一回り大きい。1949(昭和29年)支笏・洞爺国立公園に指定された。
 植樹地は、支笏湖東側の樽前山(1,024m)の山麓に広がる国有林。このコラム(8月15日更新)「盛夏の野幌森林公園で下刈りの“ちょいボラ”」でも触れたが、2004(平成16年)9月、北海道を直撃した台風18号の 猛威で多くの樹木がなぎ倒された。倒木被害の大きさは、1954(昭和29年)の洞爺丸台風(青函連絡船転覆で、死者、行方不明者1,562人)以来という。樽前山麓の国有林も例外でなく、多くの樹木が被害を受けた。
 約1haの植樹地に、トドマツとアカエゾマツの苗が400本ずつ、計800本用意されていた。広葉樹が大木に育つまで百年以上も、気の遠くなるような歳月を要するのに対し、トドマツ、アカエゾマツなどし針葉樹は植栽 から樹齢40年- 50年で成熟し、製材として、利用出来る。共に建築材、パルプ材として利用出来る、北海道の代表的な造林樹種だ。アカエゾマツは、幹の太さが1・2mとトドマツより一回り大きく成長するので、家具材、楽器材、また碁盤 材にも使われる。
 苗は畑で種から育て、5、6年成長させたもので、20cmから30cmの大きさに育っている。参加者数を頭割りすれば、1人10本余植えればよいのだが、植樹は野幌森林公園で何度も経験している。参加者にはよちよち 歩きの幼児もいるのだから、少しがんばって、20‐30本受け持つことにした。
 管轄の営林署が用意してくれた植樹用の鍬(将棋の駒を逆さにしたような五角形になっている)で、深さ15cmぐらいの穴を掘り、石ころや砂礫を取り除き、根をまるめるようにして入れ、持参の園芸用スコップで丁寧に 土を入れ、根元を足でしっかり踏み固めてやる。土が乾燥するのを防ぐため、木っ端を集め苗の下部を囲ってやれば一丁あがりだ。
 植樹作業は、1時間あまりで終了した。うっすら額ににじんだ汗をぬぐい、水筒で冷やした水を飲むと、身体の中にしみわたるようで、心地よい。地球温暖化の元凶になっている2酸化炭素を持続的に吸収してくれる森 林の果たす役割は大きい。「苗木がスクスク成長しやがて豊かな森が再生されれば、野鳥や小動物を誘い、そこに降った雨や雪はきれいな湧き水になり、多くの命を支えてくれる」(東三郎北大名誉教授「市民参加の森づく り」)  秋日和の下、快い汗をかいた参加者一同も、充足感にあふれているようだ。バスに乗って、紅葉の樹林を縫うように走り、湖畔の美笛キャンプ場に向かった。キャンピングカーで訪れた多勢の人たちが、休日の午後を、 思い思いのスタイルで楽しんでいた。われわれも日当りのいい場所にビニールシートを敷き、主催者が用意してくれた有名すし店調製の弁当と協賛会社のサッポロビール提供の缶ビールやお茶を広げ、ピクニック気分を 味わった。
 帰りの車中では、新聞社の事業らしくパソコンで制作したA3版、カラープリントの号外「森とふれあい、森に学ぶ―支笏湖近くの風倒木被害地で植樹」が配布された。
 北海道は、7月に洞爺湖サミットが開催されたのを機に、「エコアイランド北海道をめざして」という環境宣言を発表した。「さあ、始めよう8つの行動」という指針の中に「1人30本の植樹を実践しよう」というのがある。自 宅の庭に植えた果樹などを加えれば、クリアしたことになる。「資源を地域内で循環する地産地消を進めよう」という目標もある。これは自家菜園でジャガイモ、ダイコン、ニンジン、枝豆など十数種の野菜を作っている。
畑で抜き取った雑草や野菜くずは、3基のコンポストに入れ、緑肥にして、翌年、畑に還している。
 「北海道をきれいにする清掃活動に参加しよう」という項目もある。「こども環境サミット札幌」の会場になったモエレ沼公園で、開催前に行われたクリーンアップツアー(ジービーツアー主催・6月17日)に参加、ゴミ拾いを した。また、旭山公園の藻岩山登山口近くの「森の家」をベースにする藻岩山キノコ研究会の定例観察会にも3回(5、6、9月)顔を出し、中腹までのルートを往復、お目当てのキノコはあまり見つけられなかったが、”ちょい ボラ”のゴミをたくさん拾い集めた。
 秋深まり、北海道のアウトドアシーズンもそろそろ店仕舞いだが、一本の苗木が豊かな森になるように、元気でいられるうちは、環境に優しいライフスタイルを心がけたいと、思っている。
    *   *   *   *   *   *   *  <引用文献> 朝日新聞道支社「記念植樹版」(10月5日) 東三郎「市民参加の森づくりー育苗から植林まで」(森林空間研究所)
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