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ID : 8854
公開日 : 2008年 9月21日
タイトル
住まいナビ:伝統構法で家を建てたい。
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/life/housing/news/20080922ddm013100046000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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伝統構法で家を建てたい。
 ◇金物使わず土壁で震動吸収--建築確認に手間  ◇法改正影響 業界に危機感、国も対策へ  耐震偽装事件を受けた07年6月の改正建築基準法の施行により、日本の伝統的な技術を用いた木造住宅の新築や移築が難しくなっている。土壁などが健康や環境に優しいと見直されているなか、建築家などは危機 感を募らせ、国産材の利用を促進したい国土交通省も対応を検討している。
 今年7月、「このままでは伝統構法の家がつくれない!」と題したシンポジウムが東京都内で開かれた。主催したのは「これからの木造住宅を考える連絡会」(事務局・東京都千代田区)。NPO法人「日本民家再生リサイク ル協会」や「職人がつくる木の家ネット」など6団体で組織している。
 現在、日本の木造住宅で一般的なのは2×4(ツーバイフォー)工法に代表される、壁や床といった固い「面」で建物を支える工法。アメリカやカナダで発達したものが戦後、日本でも普及した。これに対し、柱や梁(はり )といった「軸」を交差させた木組みで支えるのがもともとの日本家屋のやり方。中でも木を組む際に金物や「筋交(すじか)い」と呼ばれる対角線状の補強材を使わずに、木組みと、粘り気のある土に水と砂とワラを混ぜ て下地の上に塗り固めた土壁で地震などの震動を吸収する工法を「伝統構法」と呼ぶことが多い。それぞれの地域の気候や入手しやすい木材に合わせて発達したため、統一した規格はない。
 07年の建築基準法改正は、専門知識を持った構造計算適合性判定員による点検制度(ピアチェック)の導入など建築確認審査の厳格化が柱。改正の結果、それまでは構造計算で安全性が証明できれば建設できた伝 統構法にもピアチェックが必要になった。
 ところが、各地で独自に発達した伝統構法は、木材の質や木組みの方法が千差万別で構造解析が難しいことなどから、それまでは3週間程度だった建築確認に35~70日を要するようになった。加えて伝統構法の構造 解析を行える機関が少ないことからたらい回しにあうことも多く、費用も15万~20万円程度かかる。シンポジウムでも建築家や工務店から「改正で金銭的、時間的に施主の負担が大きくなり、伝統構法の家づくりは現実的 ではなくなった」といった声が上がった。
   *  「伝統構法の家は木を組む際に金物を用いないため、さびなどの劣化の影響を受けない」と語るのは、サトウ都市環境デザイン(兵庫県伊丹市)の建築家、佐藤仁さん。建築基準法改正以前に佐藤さんが手がけた住宅 が、大阪府東部の住宅街にある。自営業、冨山慶三さん(40)宅だ。夫婦と子ども2人の4人が暮らす。冨山さんは、妻・千鶴さん(39)の故郷、長野県木曽の木材を使った家作りにこだわり、伝統的な方法による日本の木 の家を目指して佐藤さんに設計を依頼した。親類が営む山下建築が用意したひのきや杉、けやきなど15種類ほどの木材を使った。吹き抜けの居間の上部には太い梁が何本も組まれている。「木と土壁の家は通気性もよ く夏場も快適。思い入れのある家だから子どもたちに引き継いでほしい」と語る。
 設計期間半年を経て工期は11カ月。木造住宅の一般的な方法による工期は4~6カ月で、それに比べると長い。木造建築が専門の佐藤さんは「欧米から入ってきた固い建物と異なり、伝統構法はしなやかな構造体を 作ることで、粘り強く地震でも倒壊しにくい建物を作る。法改正によって、熟練した職人による日本の家作りが難しくなっているのは問題だ」と指摘する。
 国交省は、伝統的な構法による木造住宅の年間着工戸数を、法改正前は100戸程度とみていたが、改正により大幅に減る見込みだ。同省は現在、安全性を検証するための実験や大規模地震時の木造住宅の被害調査 などを重ね、業界団体などと意見交換も進めており、3年をめどに評価基準を設定し、伝統構法に伴う負担を軽減したい考えだ。【
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