ID : 8402
公開日 : 2008年 7月29日
タイトル
森林元本割れ 小海町「ふるさとの森」事業
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/nagano/news.php?k_id=21000000807290003
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元urltop:
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写真:
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小海町と同町の北牧財産区が1978年、「山林の共同経営者になりませんか」と全国に出資を呼び掛けた「ふるさとの森」事業が、契約満了の30年を来年5月に控えて大幅に元本割れしていることがわかった。
当時、1口60万円の出資で「157万円にはなる」とPRされたが、実際の配当は3分の1弱の約18万3千円の見込みだ。小池民夫町長は「輸入材の急増、林業の衰退など予期できない事情があったとはいえ、出資額を大
きく割り込んでしまい申し訳ない」と釈明している。(伊東大治)
この「ふるさとの森」は、林野庁がその後に始めた「緑のオーナー制度」の先駆けにもなった注目事業だ。八ケ岳山麓(さん・ろく)の標高1500~1700メートルにある北牧財産区(管理者・小海町長)と町の山林204ヘ
クタールで進められている。1区画が50アールで、樹齢20~25年のカラマツを樹齢50年以上の大径木に育て、その伐採利益を折半する。
78年11月に100口で募集をしたところ、1カ月で7倍近い問い合わせが殺到。希望に応えるため最終的に408口に広げられ、計2億4480万円の資金が集まった。
町と財産区は、これらの資金を間伐や林道整備、出資者との交流事業に充ててきたが、この間に高くなると予想していた木材価格は下落の一途をたどったという。
ふるさとの森のカラマツは、直径が30センチ前後。県林務部がまとめている「長野県の木材価格」によると、該当するカラマツの1立方メートル当たりの値段は、79年で2万2920円だった。だが、81年から輸入木材
に押されて国内材は下落に転じ、04年には1万3千円まで落ちた。最近は1万5700円(今年6月)とやや持ち直したが、それでも募集当時の7割の値段だ。
町は昨年7月と10月、出資者を対象に現地見学会を開き、集まった86家族に「大幅な元本割れ」を報告した。
今年5月、地元森林組合に立ち木の見積もりを依頼したところ、生育の良い場所で1区画当たりの利益は36万5400円にしかならないとわかった。契約で出資者への配当はこの半分の18万2700円になる。ただ、町
は「この金額では申し訳ない」として、町や財産区の取り分の半額を出資者への配当に回し、27万4千円を支払う予定だ。
町は現在、出資者にこうした考えを伝え、より高く売れるようになるまで育てたいと、一斉伐採しない方向で契約更新ができないか、意向をアンケートで確認している。
これに対し、ある出資者は「当時は倍以上になると言われた。30年後には膨らんで返ってくると思っていたが、突然、『木材価格の低迷で元本割れです』と言われても納得がいかない」と話している。
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