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ID : 8331
公開日 : 2008年 7月17日
タイトル
高気密高断熱住宅より日本の気候風土に合う住宅を――
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新聞名
日本経済新聞
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元URL.
http://eco.nikkei.co.jp/interview/article.aspx?id=MMECi1001014072008
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元urltop:
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写真:
 
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建築家・大野正博さんに聞くエコ住宅のあり方。2回目は高気密高断熱住宅について考えを語ってもらった。
 ――現代のプレハブ住宅と日本の伝統工法ではエコ住宅としての優位性はどちらに軍配が上がりますか。
 プレハブ=prefabricationは、あらかじめ工場などで作った部材を現場で組み立てるという意味ですが、実は日本の伝統工法はプレハブ住宅でした。
 建具、畳、瓦などの材料はぞれぞれの職人が自分のところで作って持ってきました。だから、プレハブ住宅といえるのです。
 そして、材料を大事に大事に何度も使いまわしました。使いまわし、というと船場吉兆のように糾弾されるべき使い回しもありますが、住宅建築の使いまわしはエコ的発想から昔から根ざしていました。
 火災にあって少々焦げたくらいの木材は、屋根裏や床下など見えないところであれば、まったく問題なく使えます。
 移築された古民家などの梁を見ると、全然関係ない箇所に穴が開いている木があります。それは解体した材木を使いまわした証拠です。丸太から製材された材木は丁寧に使いまわされ、残った木材の端切れは最後に 割り箸になった。
 ――国は高気密高断熱住宅の普及拡大を目指しています。
大野さんが手がけた住居  木は生き物。切った後も伸び縮みします。日が当たるほうは乾燥して縮みます。
 東北のほうで国宝の仏像を祀ってある祠があり、仏像を永久保存するために周囲を覆って完全空調したら、祠の寸法が狂ってしまったことがありました。温度と湿度の環境が、その土地に合ったものと微妙に違ったん でしょうね。自然環境の下では時に風にもさらされますからね。
 このように日本の住宅は日本の気候風土や環境に合ったものでなくてはいけないわけです。
 湿度が高い日本で高気密高断熱住宅の普及拡大を提唱するから、密閉された住環境に適応するために、今度はシックハウス法で規制することになりました。
 普通住宅は窓を開けて換気をしますが、シックハウス法ではまったくあけないこと前提にして、換気扇をたくさんつけることだけを考えました。
 シックハウス法通りにすると、換気扇を回すと夏は暑い風が、冬は冷たい風が入ってきてとても住みにくい。しかも日本全国で1つの法律が適用されますから、北海道と宮崎の温度差などを考慮に入れていません。
 最近は高気密高断熱住宅にしたため、夏でも結露問題が生じています。
 高気密高断熱はまだ、ほんの最近のアイディアですから、これまで培ってきた伝統工法のよさをもっと注目すべきだと思います。
 ――100年、200年住宅を国は推進しようとしていますね。
大野さんが手がけた記念碑。素材感の違いを出すため、数種類の大理石を使った  現在主流のハウスメーカーが売り出している均一化された住宅では、長く住んでも味が出にくい。
 なぜなら製品にムラがないように、わざと個性をなくしてしまっているからです。そういう住宅は古くなると、ひたすらみすぼらしく見えてしまいます。
 ハウスメーカーが骨組みは同じで、ライフスタイルに応じて間取りを変えられるリフォーム対応の住宅を売り出していますが、目先だけ変えるリフォームでは意味がないと思います。せっかくお金をかけてリフォームす るのですから、生活がよりよくなるリフォームに対応できる住宅を提供したい。
 これは日本の伝統的な木造住宅ですと、いろんなことができます。骨組みで構成していた日本家屋だから、柔軟なリフォームが可能になります。
 日本の気候環境に合い、長く住み続けられる高品質の住宅を考えると、改めて伝統的な日本の建築工法のよさが注目されると思います。
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