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ID : 7789
公開日 : 2008年 5月27日
タイトル
「地産地消」で家造り Uターン梶原さん、所有の山から木材
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新聞名
西日本新聞
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元URL.
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/25200
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元urltop:
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写真:
 
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地元で育った木ばかりを使った「地産地消の家」が、日田市前津江町堂尾集落に完成した。同集落出身の梶原亥ノ助さん(73)=東京都=がUターンのために建設したもので山林再生にもつながり、大工が技を 磨く場ともなった。
■ 山林の再生にも効果 地域の大工 修業の場に  梶原さんは高校卒業後に上京、不動産会社を経営しているが、仕事に余裕ができた約10年前から月に1、2回帰郷。野菜を作ったり、同窓会に参加したりしていた。昨秋から、Uターンを考えて木造2階建ての新築に 取りかかり、設計は1級建築士の梶原勝久さん(57)=刃連町=、施工は大工棟梁(とうりょう)の吉野英機さん(64)=大山町=に依頼した。
 材料は、亥ノ助さんが保有する山から切り出したスギ、マツ、ヒノキなど8トントラック12台分。設計に合わせて材料を調達するのではなく、勝久さんと吉野さんが、山にある木の癖や太さを見ながら、どんな使い方が ふさわしいか木材を加工した。
 最も太かった約80年生のマツは美しいカーブを生かしてはりに、50年生のヒノキは柱に据えた。スギ板は節が多いため床材、壁材としては敬遠されることが多いが、亥ノ助さんは気にせずに使うよう求めた。建材とし ては通常使わないヤマザクラも、縁側の踏み台に活用した。
 亥ノ助さんの山も従来は手入れが行き届かず湿地のようになっていたが、木材を切り出したため陽光が入って乾燥し下草が生い茂るようになった。さらにヤマザクラやモミジなど、広葉樹の苗も新たに生えてくるなど新 たな息吹も見られるという。
 地元材を使って家を建てることは、地域の大工の修業にもなった。最近は工場で寸法通りに切られた木材を組み上げる「プレカット工法」の仕事も多い。吉野さんがくぎを使わないで木材をつなぐ「継ぎ手」の作り方を見 せると、理解できずに悔し涙を流す大工もいたが、翌日には「一晩考えて分かった」と明るい顔を見せたという。
 吉野さんは「型にはまらない家造りができて、ワクワクしながら仕事ができた。こんな施主が増えると、山も大工も元気になる」と仕事を依頼した亥ノ助さんに感謝したほどだ。亥ノ助さんも「先祖から受け継いだ木で作 った家を子どもや孫にも見せて、山林の大切さを伝えていきたい」と喜んでいた。
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