ID : 6828
公開日 : 2008年 3月21日
タイトル
富山市民俗民芸村
.
新聞名
読売新聞
.
元URL.
http://hokuriku.yomiuri.co.jp/hoksub6/sanpo/ho_s6_08032101.htm
.
元urltop:
.
写真:
.
「うわあ。この梁(はり)の太いこと!」
資料館に入ったものの、展示品ではなく天井ばかりを見つめてしまう。ぽかんと口を開けている私に、係の男性がにこやかに話しかけてくる。「いえいえその通り、建物を見てほしいがです」。
ここは呉羽丘陵の東側、安養坊にある「富山市民俗民芸村」。郷土の水墨画家「篁(たかむら)牛人記念美術館」をはじめ、売薬資料館、考古資料館、茶室や「とやま土人形工房」など九つの文化施設が集まる。自然豊か
な山すそに広がる文化集落だ。
その巨大な梁に驚かされたのは資料館の一つである「民芸合掌館」。旧山田村から移築した合掌造りの住宅に、たんすなど暮らしの道具が展示されている。
なんといっても圧巻は「チョンナバリ」と呼ばれる、手斧(ちょうな)に似たゆるやかなカーブを描く梁だ。同じ曲がり方、同じ太さの木材をいったいどうやって探し集めたのだろう。
囲炉裏の煙でいぶされた黒く巨大な梁は、雪深い山里の生活をなによりも雄弁に物語る。
合掌造りも素晴らしいけれど、それに劣らず見事なのが、伝統的家屋のアズマダチをいかした「陶芸館」だ。切り妻造りの大きな破風(はふ)。白壁と黒のコントラストはいくら見ていても飽きぬほどに美しい。
館内には焼き物が展示されているが、ついつい視線は柱や板戸に向いてしまう。つややかに光る漆塗りの柱。立山杉の一枚板という天井。巨木を幾重にも組み合わせた「セイロ組み」の豪快な造り――。「木」の味わい
を最大限に引き出した住空間は、富山の風土が生み出した芸術作品に思えてくる。
ツバキの花が彩りを添える庭園をめでながら、資料館の一つひとつをゆっくりと巡る。付近は立山眺望の地として知られ、見晴らしも抜群。民俗民芸村には「富山の自慢」がぎゅっと凝縮されている。
木の情報発信基地では、TOPページを平日毎日更新しておりますが、その更新の中に、報道各社のホームページに
掲載されているニュースを毎朝調べ、昨日掲載された情報を集め、リンク形式の1行にその見出しを掲載しています。
2010年現在で毎日平均15本の広い意味での木に関する情報が掲載されています。毎日更新ですから、次の日には消えて
しまいます。これではいかにももったいないので、アーカイプとして分野別に分けて保存しております。このwebページは
「木材、木工、木製品」に関するものを集めています。2006年から開始しましたが、年に2度程度の更新で情報追加いたします。
情報収集の方法はグーグルニュースの検索で調べるというシンプルなものです。