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ID : 49
公開日 : 2006年 1月14日
タイトル
木材腐食防止に 鳥大など環境に優しい防汚剤開発
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新聞名
日本海新聞
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元URL.
http://www.nnn.co.jp/news/060114/20060114004.html
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元urltop:
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写真:
 
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鳥取大学や県、県内の企業などが連携して、河川や海など水辺の木製のくいなどに利用できる環境に優しい防汚剤・キトサン金属複合体を開発した。害虫や菌類などの付着防止に効果がある上、自然環境に無 害な防汚剤はこれまで開発されておらず、現在は実用的な利用が可能かどうかを実験中。開発に携わった鳥取大学の古川郁夫教授は「中海に設置している木柵(もくさく)などに利用できる。環境に優しい“ラムサール資 材”としてPRしたい」と話している。
 防汚剤の開発は、鳥取大学のほか、県産業技術センターや民間企業などが参加している産官学連携の取り組み。
 防汚剤は、カニの殻から抽出されるキトサンを、銅と結合させてフレーク状に加工したもの。木材を腐らせる原因となる褐色腐朽菌類や白アリ、フジツボなどによる腐食を防ぐ効果があり、水などに流れ出さないことが 特長。食品農医薬品安全性評価センターの検査で薬剤自体の安全性も実証されている。
 既存の防汚剤は、効果が限定的で、人や環境に及ぼす影響が大きかったが、その課題点をクリアする“特効薬”として幅広い活用が期待される。
 これまでに、十五センチほどの木片を海水に沈める実験を実施。未処理の木片にはフジツボなどがびっしり付着したが、薬剤を注入した木片にはほとんど変化がなかった。
 実験を重ねるうち、「フジツボや白アリは、木材に含まれるセルロースを食べ、体内にある酵素で糖に分解して栄養を取り込むが、防汚剤が分解酵素の働きをストップさせるため、木材を食べなくなることが分かった」( 古川教授)という。
 現在、境港市の木材会社・平成木材が薬剤を注入できる専用の機械を導入し、実際に同市外江の中海の土留めに使う木材などで実証実験に取り組んでいる。「海岸沿いに設置する防風柵などにも利用でき、今後の用 途も広がると思う」と同社の山根勝美社長も期待を込める。
 今年は濃厚液を開発することに成功。従来のフレーク状の薬品を加工する場合に比べて作業効率がアップした。液状にすることで運搬費の増加が懸念されたが、濃度の高い液を作ることで乗り越え、現在特許を申請し ている。
 現在は注入タイプのみだが、塗布タイプも開発中で、実現すれば漁船への活用も可能になる。従来、漁業者は船底にフジツボなどが付着するのを防ぐため、既存の防汚剤を塗っているが、環境に影響を及ぼすことが 懸念されており、安全な防汚剤が求められていた。
 古川教授は「鳥取県はキトサンの産地であり、キトサンを加工する技術もある。後は製造する場所が確保できれば、産業の一連の流れができる。実用化に成功し、全国的に大きく広がることを期待したい」と話している 。
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