同賞は「夢のある美しい暮らし」がテーマ。「手づくり作品」と、料理と食卓を演出する「コーディネート」の2部門について昨年末から今年の4月にかけて公募した。
手づくり作品部門には全国から2562点、コーディネート部門には539点の応募があり、日本画家千住博さんら5人が審査した。
最高賞に当たる大賞を受賞した梅里さんの「チャペルタウンの祈り」は、教会が点在するヨーロッパの古い街並みを思わせる作品。ケヤキやクリ、サクラなどさまざまな木材の端切れで作った200個近くの小さな家 からなる。
自身で改良した極細の「のみ」などの道具を使って窓やドアなど細部の表現に一つ一つ変化を持たせた。一部に青を使ったが木そのものの色や、木目の美しさを生かした素朴なぬくもりがある。
これらは病に倒れた友人の回復を願いながら制作した。額縁やいすなどの木工で出た端切れをさまざま組み合わせているうちに生まれたという。
審査員からは「心の手の感触を感じる」「受け手の想像力により、どこまでも楽しめる作品」などと高く評価された。
梅里さんは「出品するために作ったものではないが作ることで自分自身も癒やされた。作品を通じて少しでも多くの人の心を慰めることができれば」と喜びを語る。
表彰式は9月7日、東京・日比谷の帝国ホテルで。作品は東京都の日本橋三越本店(9月4―9日)、大阪市の大丸心斎橋店(10月16―23日)で展示される。