ID : 4550
公開日 : 2007年 8月24日
タイトル
ものづくりの心伝え引退へ 洋家具作り半世紀 石塚さん 日田・中津江村 弟子3人を育成
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新聞名
西日本新聞
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元URL.
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/oita/20070825/20070825_003.shtml
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元urltop:
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写真:
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日田市中津江村の家具工房「木正舎(もくしょうしゃ)」で、若手職人を指導していた洋家具職人石塚正一さん(78)が引退し、自宅のある横浜市に戻ることになった。中津江村に12年間滞在、後継者の職人3人
を育て、ものづくりの心を伝えた。今、半世紀にわたる自身の職人生活を締めくくる作品を制作している。 (日田支局・岩尾款)
■「職人の村」活気願い最後の作品を制作中
石塚さんは静岡県の浜名湖近くで育った。幼いころから工作に興味を持ち、木を彫って作った潜水艦、飛行機で遊んだ。戦後間もない1949年、上京して家具職人として弟子入り。宮内庁御用達の家具工房「小林福三商
店」などで勤務した。皇居、最高裁判所、帝国ホテルなどで据え付け家具の製作や修理をした経歴を持つ。
96年、中津江村でログハウス会社を営む川野幹夫さん(58)に請われ、同社の家具部門として設立された木正舎に来た。決して手を抜かない一徹な指導に、途中で辞めた弟子もいるが、最近になって3人が独り立ち
。うち2人に木正舎の経営を任せることにした。
職人かたぎの石塚さんは、単身赴任で中津江村に来るまで家事は何一つできなかったが、中津江村では工房近くの民家で1人暮らし。地元農家から手作りの田舎こんにゃくや干ししいたけなどを分けてもらい、煮物も作
れるようになった。
58年間の家具職人人生、最後の作品として作っているのは、いすと事務机。いずれも彫刻刀を使って中世風の装飾をした大作で、10年以上の歳月をかけて乾燥させたナラを使った。弟子のお手本、川野社長へのお
礼として、木正舎に置いていくつもりだ。
高齢化が進む中津江村だが、木正舎の家具職人をはじめ、手作りパンを焼く移住者夫婦、チェーンソーアートに取り組むグループなどがいる。川野社長が石塚さんを招いたのも「ものづくりにたけた人々が集まる村とし
て活力を生みたい」との思いがあったからだ。
石塚さんは「村の人は漬物などを差し入れて、温かく受け入れてくれた。その代わりに、私が若い職人を育てる責任も感じていた。料理も覚えたし、自分の人生にもプラスになったかな」と、中津江暮らしを振り返ってい
る。
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