ID : 452
公開日 : 2006年 3月 4日
タイトル
製材職人・仲尾馨さん
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新聞名
沖縄タイムス
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元URL.
http://www.okinawatimes.co.jp/spe/takumi20010621.html
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元urltop:
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写真:
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石川市東山にある製材所に足を踏み入れると、なんともいえない木の香りが漂っていることに気付く。直径六、七十センチ、長さ三メートルあまりの丸太が積み上げられている。雑然とした作業場に立てかけら
れた木々から発せられる香りに包まれると、まるで森の中にいるように感じる。
製材一筋五十年―。主の仲尾馨さん(70)は、高校卒業後、十九歳で出身地の名護市伊差川の製材所に弟子入りした。ときあたかも戦後の復興期にあたり、県産の木を建築材として加工する製材業にも従事したことで
、沖縄の復興の手助けをしてきたという自負がある。
一トンはあるという丸太をフォークリフトで台車に乗せて、電動の帯状になったノコギリにゆっくりと近づけてスライスする。一気に切ろうとすると、無理な力がかかり、ノコギリが壊れてしまうのだ。
一見、簡単そうに見えるが、実はとても危険な作業だ。ノコギリの操作を誤って、作業中に指を切り落としてしまう人も少なくないという。「ほら、全部あるよー」と、そう大きくない手を広げて見せてくれた。
「安全にはとても気を使う。この作業場で、一度も事故がない」というのが自慢。「数十年、製材業にかかわり、手の指がすべて残っている人は少ないよ」という言葉からも、作業の正確さと自信がうかがえる。
開業当初は、建築材を切り出していたが、輸入木材に押され、三十年ほど前から徐々に看板やテーブルなどの素材づくりに切り替えた。
最近、飲食店や居酒屋などで見掛ける自然の木の形を生かしたテーブルやカウンター、棚などに使われる木々の注文が増えている。リュウキュウマツ、センダン、クスノキなどの県産の木以外は扱わない。
木の良しあしは、形や切り口を見る。経験で分かるというが「割ってみないと分からないところもある。見掛けは良いが、割ってみたらそれほどでもないということもよくあるよ」と、ちょっとはにかんでみせた。
来年、木工の修行で本土に行っている長男の喬さん(36)が帰ってくる。「もう、息子に跡継ぎさせるよ」とうれしそうに話していた。(
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