ID : 4441
公開日 : 2007年 8月 8日
タイトル
戦友への思い、仏像に刻む 伏見の86歳 独学で彫り続け100体
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新聞名
京都新聞
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元URL.
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007080900099&genre=K1&area=K1I
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元urltop:
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写真:
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戦死した兄や戦友たちの冥福を祈り、京都市伏見区醍醐の男性が、仏像を彫り続けている。新聞に掲載された写真などを手本に、独学で彫刻を続け、30年ほどで約100体になった。柔和な表情の仏像に囲ま
れながら「自分の悩みも背負ってくれる」と穏やかに語る。
斎藤時和さん(86)。旧制中学卒業後、東京にあった内閣中央航空研究所に入学した。1943年に召集され、現在の東近江市にあった陸軍第八航空教育隊に入隊し、岐阜県の各務原航空隊で終戦を迎えた。しかし、兄の
舟夫さんは、37歳でフィリピンで戦死、多くの戦友も台湾から南方へ行く船ごと撃沈された。
仏像作りは30年ほど前、切り倒されて放置されていたイチョウの街路樹を目にしたことがきっかけだった。「利用するだけ利用して捨てるのはかわいそう」と哀れみを覚えた。木片を譲り受け、高さ15センチほどの大
黒像を削りだした。以後、斎藤さんの実家から送られたサルスベリや、屋久島のスギの木などを材料に、のみや小刀、カッターナイフなどで、慰霊の思いを重ねながらこつこつと仏像制作に取り組んできた。
作るのに1週間から1カ月かかる。斎藤さんは「(本物ではなく)仏像のようなもの」と控えめに語るが、地蔵菩薩や薬師如来、閻魔(えんま)大王など、自宅の仏壇の周りに並べた仏像は、みな優しげな表情を見せる。慰
霊でフィリピンや、特攻隊基地のあった鹿児島を訪れる際にも、必ず仏像1体を持参しているという。
「年をとるにつれ、希望に燃えていたのに戦死した戦友や兄のことを思って寂しくなる」と斎藤さん。「これからも手が動き続ける限り彫り続けたい」と話している。
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