ID : 4272
公開日 : 2007年 7月15日
タイトル
阿寒違法伐採*許しがたい自然破壊だ(
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新聞名
北海道新聞
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元URL.
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/38006.html
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元urltop:
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写真:
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阿寒国立公園の屈斜路湖畔近くで、五年にわたり、原生林が百ヘクタール以上も違法伐採されていた。
環境省も「聞いたことがない」という規模だ。驚くと同時に怒りを覚える。
道警が自然公園法と森林法違反などの疑いで捜査している。すさまじい自然破壊だ。事実を徹底的に解明し、厳正に対処するべきだ。
現場は湖畔近くの民有林と国有林。大半が国立公園の第一種と第三種の「特別地域」に指定されている。
特別地域では、国や自治体の許可がなければ木材を伐採できない。とりわけ第一種特別地域では、「現在の景観を極力維持する」ことが求められ、伐採許可を得るのは難しい。
首都圏の会社社長が、道東の業者に伐採させたとみられる。現地は大手不動産会社などの所有地であり、森林窃盗の容疑が持たれている。しかもこの社長は、自社の所有地と偽って、弟子屈町に伐採許可を申請して
いた。
問題は弟子屈町の対応だ。
町は土地所有者の確認をせずに、申請を許可した。対象地域には道の許可が必要な防風保安林が含まれていたが、それにも気づかなかった。違法伐採は二○○二年ごろから始まったが、現地調査もしていなかった。
チェック体制がずさんだったとしか言いようがない。特別地域を預かる自覚が欠けていたのではないか。
環境省の責任も大きい。会社社長は環境省に伐採を届け出ていなかったが、現場は湖畔に近く、比較的目立つところだ。伐採は長期間続いていた。
国立公園内は、自然保護官らがパトロールしている。発見までどうして四年以上もかかったのだろう。
一帯は過去に伐採の手が入っていない原生林で、まさに貴重な自然だ。
現場は大木の切り株が放置され、茶色の地肌があらわになっている。回復には数十年かかると言われる。クマゲラなど野生生物の生息環境や、農業にも影響を与えるに違いない。
土砂が屈斜路湖に流れ出し、水質を悪化させることも懸念される。
違法伐採は各地で起きている。
国立公園では、過去に「富士箱根伊豆」で八百四十平方メートルが荒らされたことがある。
桧山管内上ノ国町の国有林では二年前、森林管理署が発注した業者が、ブナ林を予定本数の二倍近くも切っていた。
国の鳥獣保護区特別保護地区のウトナイ湖の湖畔でも最近、何者かがハンノキなど約百三十本を違法伐採していたことが判明した。
貴重な北海道の森林が知らぬ間に違法伐採され、高級木材に加工されて売り飛ばされている。国と自治体は気を引き締めて管理、監視体制を強めなければならない。
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