ID : 3653
公開日 : 2007年 4月27日
タイトル
廃材有効活用へ技術開発進む
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新聞名
ZAKZAK
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元URL.
http://www.zakzak.co.jp/tsui-sat/tsui/20070428_03.htm
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元urltop:
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写真:
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今月6日、新日本石油の根岸製油所(横浜市磯子区)にタンカー「ギンガランナー」が到着した。搭載していたのは、主に小麦を原料としたエチル・ターシャリー・ブチル・エーテル(バイオETBE)。石油元売り10
社が共同出資して1月に設立したバイオマス燃料有限責任事業組合(JBSL)が、フランスで調達したものだ。
日本に初上陸した7800キロリットルのバイオETBEは約30時間をかけてタンクへの入荷を終えた。製油所ではバイオETBE7%分をガソリンに混入。元売り各社は27日から、首都圏の50拠点で試験販売を開始す
る。販売拠点数は、2009年度には1000カ所まで拡大。10年度からは全国のサービスステーション(SS)で展開する。その時点でのバイオETBEの利用量は84万キロリットル。初年度のざっと70倍に相当する数値
だ。
ETBEについては当面の間、輸入で対応する。だが、これだけの量を海外から調達するのは難しい。このため08年末からETBEの国内生産が順次スタートする予定。最大の課題は「供給の安定性」(JBSLの平井茂雄
代表職務執行者=新日本石油常務)だ。
安定供給を実現する上では、国産エタノールをいかに調達できるかが重要なカギを握る。
国内各地ではバイオエタノールの実証事業が順次進む。北海道十勝地区では規格外の小麦やトウモロコシ、堺市は建築廃木材、沖縄県宮古島ではサトウキビを主原料としている。これらのエタノールはバイオETBE方
式とは異なり、3%分をガソリンに直接混合した「E3」向けが中心。だが、石油連盟はバイオETBE化して厳格な品質確保法をクリアするのであれば、国産エタノールも原料とする方針だ。
政府も国産バイオ燃料を大幅に増やす「工程表」を策定した。目標は2030年までに年間600万キロリットルへ引き上げること。現在の20万倍という天文学的数値だ。
しかし、この目標を達成するには高いハードルが待ち受けている。例えばコメや麦などの農産物で600万キロリットルのエタノールを生産するには、国内の耕地面積(休耕田を含む)に比べ100万ヘクタール多い、360
万ヘクタールの土地が必要とされる。現実的には不可能だ。また、世界で約8億人が栄養不足の状態にあるため、食料に全面的に依存するのは賢明でない。
必然的に稲わらや木材などセルロース系原料や資源作物全体から、効率よくバイオエタノールを生産する必要がある。とくに捨てられていた廃木材をいかに有効に活用できるかが課題。石油連盟の渡文明会長は「技
術開発を進めながら全力を挙げて木質系をピックアップしたい」と語る。
バイオETBEの登場でバイオ燃料“元年”を迎えた日本。しかし、量をいかに拡大できるかに話題が集中する印象が強い。消費者のためにも、これまで通り品質の高い製品をいかに供給できるかが最大の課題。こうし
た「地に足のついた考え方」(渡会長)が強く求められている。(
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