ID : 2954
公開日 : 2007年 3月 7日
タイトル
自然素材仕上げには覚悟がいる?
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/homeguide/reform/onlyone/20070301hg03.htm?from=os1
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元urltop:
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写真:
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今回はインテリアの仕上げについて、つまり床、壁、天井などの素材に何を使うかについて、考えてみましょう。
私はこれまで書いてきましたとおり、家の建材にはできる限り、有害化学物質の含まれていないものを使った方が、健康に暮らせると思っています。インテリアの仕上げ材なら、なおさらのこと。
しかし、自然素材との暮らしは、やっぱり手間がかかるものなのです。そこを心得ておかないと、「こんなことなら化学素材でよかったのに……」と後悔することになりかねません。
たとえば床。合板フローリングでなく、無垢(むく)の板を張れば、足触りがいいですよね。年を経るごとに自然の色艶(つや)が増し、いい感じの表情を見せてくれるのも無垢材ならでは。しかしその反面、本物の木は割
れたり反ったりします。冬など乾燥する季節には隙間が開き、そこにパン屑や小さなゴミがはさまって掃除が大変、という苦労をするかもしれません。
または、木のお風呂を想像してみましょう。浴槽、壁などが無垢のヒノキだったりすると、いい匂いがしてとてもリラックスできますが、本物の木であればほぼ100パーセント、どこかにはカビが発生すると思った方がい
いでしょう。毎日お風呂から出る時に、垢(あか)やせっけんかすなどを隅々まで洗い流し、水滴を乾いた布でふき取り、お風呂場の窓を開けて換気扇をかけて乾燥させる作業を忘れずに繰り返せば、最小限に食い止め
られるかもしれませんが、全くカビが出ないようにするのは多分、不可能です。
思い出してみてください、昔の木のお風呂。風呂蓋、スノコなどは、どこかしら黒っぽくカビていませんでしたか? アジアにある日本では、毎日使う無垢の木のお風呂場にカビが出てしまうのは、仕方ないことなのだと
思います。
ですからたとえば、お風呂に無垢の木を使いたいと思ったら、ある程度の覚悟が必要です。黒カビちゃんの出現に、耐えられますか? 最小限に抑えるための毎日の乾拭(からぶ)きを、根気よく続けられますか?
最近は身近で当たり前に目にするようになった「抗菌」「防カビ」仕上げの化学製品によって、さほど努力しなくてもカビなどに遭遇しなくて済む生活に慣れてしまったため、自然素材と共同生活する手間を、私たちは
すっかり忘れてしまってはいないでしょうか。
そこへ突然、割れるわ、反るわ、カビるわの自然素材を仕上げに使ってリフォームし、新たな生活を始めたら、思いもかけぬ手間ばかりがかかって、毎日が苦痛になってしまうかもしれません。あなたが使いたいと思っ
ている仕上げ材は、実際生活し始めたらどんなふうに変わっていくのか。十分に調べたうえで選択してください。
それは自然素材だけに必要なことではありません。アレルゲンになる可能性がある化学素材ならなおさら、成分や特徴を事前によく調べて使いましょう。できれば、可能な限り大きめのサンプルをもらい、リフォーム前
に実際に生活に取り入れて使ってみることを、おすすめします。
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