『断食月が始まります』
今日9月13日よりラマダンとして有名なイスラムの断食月が始まります。
今日から10月13日夕刻のお祈りまでの丸一ヶ月間、太陽が出ている間の
欲望を一切捨て去る修行です。
断食は口に入れる飲食を断つだけでなく怒りや悲しみは憎しみなぞを含めて
人間が持つ煩悩を絶つ修行です。
それも仕事をしながら、そして日常の生活を営みながら行うのです。
唾を飲むのさへ許されないと称する結構苦しそうな修行ですがお祈りを通して
アラーの神にすがり何とか乗り越えようと努力をするのです。
病気の人と妊婦、幼児と高齢の人を除いて老若男女みなこの修行をします。
これをしなければ一人前のイスラム教徒として認められません。
ひいては一人前の大人としても認められません。
ローカルの飛行機に乗りましたら機内販売でお祈り用服を売っておりました。
ラマダン月専用の季節セールだそうです。
女性は一日4回お祈りの時間になるとこれを被ってお祈りに臨むのだそうです。
尼さんの法衣のようです。
手にはタスビという数珠のようなものを持ちます。
大人の女性がお祈りをしている姿は異教徒から見ると中々色気があります。
子供のイスラム服はご覧の通り可愛いものです。
最近この様に頭を布で包む若い女性も増えてきました。
この姿を見るのもラマダン月の楽しみの一つです。
困ることもあります。
イスラム教では女性を侍らせながらお酒を飲むなんぞ許されるものでは
ありません。
故にこの断食月はカラオケやマッサージも営業規制を受けます。
日本租界ブロックMと言えども例外ではありません。
いつもは夜中の1時までの営業時間が縮められます。
丁度お酒が入って興が乗った頃に『ハイ、お勘定』となります。
それでも日本人に遠慮してか、ブロックMはまだ規制が緩い方です。
ブロックM以外の地区では全ての営業が禁止され、そこにたむろする夜の蝶を
イスラム私警団が捕まえて虫篭(更生施設)に放り込んだりします。
この時期になると『夜の蝶・浄化作戦』の成果をTVニュースでよく放映します。
可哀相に・・・夜の蝶も人間なのにまるで汚れ物扱いでトラックに放り込みます。
第八高等学校寮歌『伊吹おろし』の前口上にある
『泣いて笑って月下の巷に媚を売る女の中にも睡蓮の如き純情アリ』・・・は
ここでは通用しません。
こうして煩悩を絶つ苦しい修行を10月13日夕方のお祈りまで続けその暁に
迎えるのが嬉しい嬉しいイスラム正月(レバラン)なのです。
こんな通信を帰国前のジャカルタ空港待合室で書いてましたら目の前の
TVで臨時ニュースが始まりました。
何とスマトラのベンクルで地震です。
断食入りの神聖な日にまたしても自然災害です。
断食を控え綺麗に掃除したお墓にまた沢山の人達が入ることでしょう。
『呪われた大統領』スシロ・バンバン・ユドヨノさんは辞めることで国民を
救うのです。
地震・洪水・厄病(鳥インフルエンザ)・テロが蔓延する苦境から国民を救える
のは、運のない大統領の辞任だけです。
そう思っていたら何と!・・・日本の首相が辞めてしまいました。