『ベモ』
昭和20年代の人がジャカルタの街を車で走っていると、
目が点になる時があります。
…『エッ!、エーッ!!!』
旧式のベモ
そうです。
幼き頃日本の街を走り回っていた働く車、オート三輪
『大発ミゼット』の幻です。
ジャカルタでは庶民の足、『べモ』と呼ばれるミニバス
として、一部地域で細々と営業しております。
排気ガスを巻き散らすのでもう生産していないらしく、
みんなくたびれた古い車ばかりです。
その横で代替えの最新型ミニバス『カンチール』が若者の
ごとく颯爽とした姿を見せ始めております。
ベモ2
老兵は消え去るのみ、壊れればそのまま消えゆく運命の
儚い車ですが、それでも、けなげに毎日走っております。
この姿が見られるのもあとわずか…
皆様、ジャカルタへお越しの際は是非目を皿のようにして、
目が点になる一瞬をお探し下さい。
高度成長時代を支えてこられた老兵の、倒れるまで働き
続ける姿をこの車に重ねて涙してあげて下さい。
カンチール
ベモ
ジャカルタにて