ヒノキ、サワラ、ヒバ(アスナロ)、ネズコ(クロベ)、コウヤマキ(檜、椹、高野槇)、を木曾五木という。木曾の国有林全体ではヒノキが最も多く、サワラがこれにつぎヒバ、ネズコ、コウヤマキの数量は少い。
木曾地方は、有史以前からヒノキを主とした天然林が茂り、何回か世代の交替をしてきたが江戸時代の初期から中期(1600年~1750年頃)の間に大量の伐採が行われ、木曾五木が減少してきた。このため当時の支配者であった尾張藩は1644年から次第に保護政策を強めて1727年から明治維新(1867年)までは木曽五木は私有林でさえも伐採を禁止したほどであった。こうして木曾の立派な天然林が育ってきたのである。
明治維新のあと皇室財産となり御料林とよばれ帝室林野局で管理された。私達三重高等農林・林学科卒業の時も成績の良い友人は帝室林野局へ就職した。その後昭和22年には国有林になって現在に至っている。