ひいらぎ
疼、 ヒラギ、オニノメツキ、コウコクジュ、オニサシ、オニノメザシ、メッキシバ
高さ10mにもなる。日本原産、関東以西に分布する。
名前は鋭いとげに刺さるとヒリヒリと痛む・。ヒリヒリ痛む意味の古語である「ひひらく」から「ひいらぎ」生まれとされている。若木には特有のトゲがあるが、老
木はトゲが無くなる。刈り込みをするとトゲが出てくる。
10~11月に葉のわきに小さな白花が束生する。花の少なくなった季節で上品な香りがする。果実は翌年の6月以降に熟して紫黒色となる。
「鬼は外」と節分の夜には豆をまくが、昔はひいらぎの小枝に臭い鰯(いわし)の頭を差して戸口に挿し、悪鬼を払う習慣があった。鰯のほかにネギやニンニクなどを柊の枝に刺す地方もある。「鰯の頭も信心から」という
諺はここからと思う。葉の先がトゲ状になっているので、鬼の目を突くというので、ここからの別名も多い。
ヒイラギといえば、クリスマスとハリウッドを思い出す。クリスマスに利用するのはセイヨウヒイラギで、まったく別の木でモチノキ科モチノキ属
に属
している。クリスマスにはモミの木でツリーをヒイラギでかざりつけを行うが、緑と好対象になる赤い実はセイヨウヒイラギの実で、日本のヒイラギではない。
ハリウッドは晴天日数が多いことや変化に富む地形が撮影に適していたので発展した。アメリカ映画産業のメッカとして有名。ひいらぎとハリウッドに関して
二つの誤解があると思われる。「聖林」と書かれていることが多いが、通説には先人が翻訳する時にHollyWoodの「Holly」(セイヨウヒイラギ)を「Holy」(聖なる)と誤訳したといわれ、広辞苑第5版にも記載されている。しかし、もともとHollyの語源はHolyで「神秘的な力、聖なる」を含んでいると思われる。<
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また、ハリウツドは昔の辞書には「柊林」と記載されたり、ヒラギ林があつた場所と多くの本に記載されているが、もともとこの地区にはヒイラギはなく、FIGWOO
D(いちじく)の果樹園地帯であった。本来ならFIGWOODとなるところだったが、不動産開発者夫人が、偶然知合った旅行者が「ひいらぎに囲まれた、すば
らしい環境のハリウッドという別荘に住んでいる」と聞き、そのイメージから「ひいらぎは幸運をもたらす」という思いで名付けた。
そして多くのヒイラギを植えたが、土地に合わなかったのか残っていない。今では大阪のUSJでハリウッドにある本物そっくりの建物や華やかさを楽しめる。
私たちの会社も仕事で多少かかわったので何度も遊びに行ったが、ハリウッドの街並みが本物そっくりに出来ている。
柊という魚がある。
本州南部以南の海に生息する銀色のきれいな魚で、体の割に骨太で猫も嫌がると言われている。和歌山、瀬戸内では、よく食べられていて、味はなかなか
のもの。普通さかなは魚偏だが、このさかなは柊の文字を使う。なぜ、木偏のこの字を使うのかはわからない。ヒレにトゲがあるからかもしれない。
- 学名
- Osmanthus heterophyllus
- 科
- モクセイ科
- 属
- モクセイ属
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