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新・木偏百樹

ぬるで

白膠木、フシノキ、ゴマギ、カツノキ
日本全土から、東南アジアにかけて広く分布する。
ヌルデは樹高5- 10mほどになるが、幼時の成長は極めて速いが、あまり大きな木にはならない。伐採跡地などに真っ先に侵入する代表的な先駆樹種であり、比較的水分 の良い場所に生育する
葉はウルシやハゼノキとよく似ているが、ヌルデは葉軸に沿ってニシキギにあるような翼(よく)がある。また、秋になり一番はやく紅葉するのがこのヌルデかもしれない。白膠木紅葉は秋の季題になっている。
名前の由来は、一般にはこの木の枝に傷をつけると白い漆液が出て、これを器具などに塗ったことからといわれている。しかし現在はこの漆液を利用する ことはない。
真言宗で祈祷のとき護摩を焚くが、元々はこの木を燃やしたことから、ゴマギと呼ばれるようになったという。ヌルデは生木でも燃えやすい木で、勢いよく燃 え、ぽんぽんと音とたてて跳びはねる感じで、そのさまから縁起がよいとされた。現在の護摩木は他の白い色の木材が代用されている。
フシノキの名はこの木の葉軸に虫が寄生して大きな虫こぶを作ることがある。これを付子(フシ)という。寄生する虫はヌルデシロアブラムシなど何種類か知られている。
春に一匹のヌルデシロアブラムシが葉に食いつくと、数日で葉の組織はアブラムシを取り囲んでこぶをつくる。ここがすみかとなり、その中で子どもを産む、 どんどん増えつづけて、最終的には4千匹から一万匹ほどにもなる。秋になると虫こぶが割れ、中から羽をつけたアブラムシが飛び出してくる。成虫が出る 直前の虫こぶは、タンニンの含量が最大となるので、開口前に採取して日干しにする。これを五倍子と呼んでいるが、タンニンが50~80%も含んでおり、か ってお歯黒や白髪染めの色素原料として利用されていた。
日本産のウルシ類では最も毒性が低く、被れないといわれるが、虫えいにはかぶれの物質が多いようだ。 最近の研究では、ヌルデの木の高さとタンニンの含有量が関係あるといわれている。樹や葉のタンニンはシカ、カモシカなどの大型草食動物が食べること に対する、防御機能の役割をしている。そのタンニン含量は同一樹木での樹や葉の高さによって変動する、つまり低樹高及び低位置の樹や葉は含量が高 く、そのため若木は草食動物から採食を逃れる確立が高いというのである。
小さな果実は垂れ下がり、熟すと表面に白い粉がふいている。父の話だと、子供のころ仲間とよく口にして、塩味を楽しだという。会社への通勤途中にあるの で、私も口にすると塩と多少の酢の味がする。これから のシオノキなどの方言がついているのだろう。
材は白くて軟らかいので、細工物に用いられる。耐久性があるので、杭に用いられる。また水を吸いにくいため、浮子(あば)、農器具に用いる。
学名
Rhus javanica
ウルシ科
ウルシ属
英名
Japanese Sumac

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