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新・木偏百樹

すもも

巴旦杏(ハタンキョウ)、牡丹杏(ボタンキョウ) 高さ3m~10mになり、山梨県の3月下旬の李の畑の花は一面白色となりすばらしい。 アンズ、ナツメ、モモ、クリなどと五果(ごか)の1つになっている。 名前は果物がやや酸味の強いことからスモモ(酸桃)と名づけられという説や、モモに似て無毛であることからなどの説がある。
中国原産。揚子江の奥地や中国長江沿岸が故郷といわれるが、朝鮮から日本にも自生していたともいわれることもある。日本への渡来は古く、野生化して いるものもある。古事記、日本書記、万葉集にも酸っぱいモモとして名が見える。当時は、食用としてよりも薬用の樹として栽培されていたようだ。
春、梅が終わってから桜が咲き出す寸前に、梅や桜に似た約2cmの白い五弁の花が1~3個ずつ葉のつけねに群がり咲く。花の後、なめらかな果皮の果 実がなる。果実は球形で赤紫色または黄色に熟し、甘ずっぱい味だが完全に熟すると甘く、生で食べられる。
中国では、桃と同じく古くから栽培されており、5世紀~6世紀には多くの品種があり、薬用および食用とされていた。
現在の日本の栽培品種の多くはアメリカで育成されて逆導入されたものである。スモモの品種は多く約30種あるといわれている。大別すると欧州系、アメリ カ系、東洋系(ジャパニーズプラム)の3種。
スモモや、梅は酸味が強いが、日本人は生食している。しかしヨーロッパでは梅は食べず、スモモは、プラムと呼ばれ、干して酸味を減らし味をつけ、乾燥果 物として食べる。味覚や文化の違いを感じる。 二十年間住んでいた豊中の家にも一本植えあった
。よく父は7月に入ると朝の冷気ですっかり冷たくなっているのを手で拭きながらかじったりしていた。 中国ではすももは桃と並んで春の代表的な花であった。格言も多い。「桃李もの言わず下自ら蹊を成す」は桃や李の木の下には、花や実にひかされて人 が多く集まるので、自然に道ができる。徳のある者はみずから求めなくても、その徳を慕い寄る者がたくさんにあることのたとえ。武蔵野市の成蹊学園や大 阪市の大阪成蹊学園の学園名の由来はここからでている。「李下の冠」もよく使われる。「君子は瓜田に履を納れず、李下に冠を整さず」というのを略したも ので、瓜畑のそば通る時には、履(くつ)が脱げても、うつむいてはならない。瓜を盗んだと疑いを受けるから、李(スモモ)の木の下では、頭の冠が曲っていても、手を上げて直してはならない。李の実を盗んだと疑われるからである。このように他人の疑いをうけや すい行為ははじめからせぬがよいという意だが、今は役職の高い者は普段から潔癖でなければならないという意味に利用されてきている。
学名
Prunus salicina
バラ科
サクラ属<
英名
Chinese Plum,Japanese Plum

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