かなめもち
要黐(カナメモチ)、赤芽黐(アカメモチ)ソバノキ、ハナノキなどと呼ばれる。
高さ5m~10m。
東海地方から西の暖帯丘陵地に生え、中国の中南部にも分布する。
花は5~6月に小さな白花が群生する。この花序の白さをソバの花序になぞらえて「ソバノキ」の名もある。
別名の「アカメモチ」は葉の色が萌芽から展葉
期にかけて鮮やかな紅色になるところからつけられている。
カナメモチの若葉が赤く照り返しギラギラ輝くことから、革質で光り輝く葉を意味指すphoteinosという属名がつけられている。
刈り込みに強く、葉が美しいことから生け垣用樹として人気が高い。
緑のものもあり、黄色、赤と変異があるが、赤く美しいものを選別して生垣などに使う。
最近生垣などでよく見るものに園芸品種のセイヨウベニカナメモチ、通称レッドロビンがある。
新緑の赤色が濃いし、強靭で栽培しやすいので、最近はこちらの方が人気がある。
日本では、石楠や石南花がシャクナゲの漢字となっているが、もともとはカナメモチの中国名で、古く日本ではこの字をシャクナゲに誤用したため、現在で
はこの字が一般になってしまった。
「カナメモチ」の意味はこの材で扇の要を作るからであるという説もあるぐらい、材は非常に堅く、質も緻密で強い。
比重は0.98もあり、日本産の材の中では最も重い。
そのため扇のカナメ、車両材に重用され、鎌の柄や牛の鼻環にも利用されてきたが、大量に算出されないので市場性は少ない。
神社の屋根に利用される桧皮(ひわだ)は桧の立木から採るが、現在ではその職人も日本では十人にも満たなくなっている。
この皮剥が
特殊技術で、へら一本と縄を使って木に登って剥ぐ。このヘラがカナメモチで職人が自ら作るそうだ。
庭園樹としてよく使われ、以前に住んでした豊中の住宅街の生垣に多く見られたが、今住んでいる大阪南部の富田林にも多く、毎日の会社までの通勤で
楽しめる。
私が樹木を意識しだした時期に、この木の新葉を見てびっくりした、緑ではなく紅色だったから。
その時期は周囲はみんな緑ばかりだから、よけいに目立ち、華やかさを添えていた。また小さな果実は秋から冬にかけて紅色に熟す。生け垣の利用の
歴史は古く既に平安時代の書物にその記述がある。
小泉首相が済州島で首脳会談した年、友人仲間と半年遅れで訪問した。宿泊ホテルは首脳会談と同じ新羅ホテルで、到着翌日にそこから東アジア最大級
という如美地(ヨミジ)植物園に歩いていく途中に、ティディベア博物館があった。
道路からティケット窓口まで、かなめもちが両側から観光客を迎えてくれている。
この島の観光地スポットにもなっているようでホテルよりも込んでいた。
- 学名
- Photinia glabra
- 科
- バラ科
- 属
- カナメモチ属
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