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新・木偏百樹

かつら

時には高さ35m、直径2mにもなる。
北海道から鹿児島県北部までの温帯樹。欧米では「カツラ・ツリー」と呼ばれ、珍重されている渓流沿いに生え、枝を水平に張った樹形である。4、5月頃 葉に先立って腋生開花する。
春の新芽は赤く、秋には黄葉となる。
中国では、古くは月には木がはえているという伝説があり、月のことを桂月という。
しかし中国の桂は日本でのクスノキ科の肉桂類をさし、日本のカツラとは全く別の木である。
中国には桂にちなんだ諺が多いが、日本のカツラと考えてことわざを解釈すれば話があわない。「桂を科(はか)りて炊(かし)ぐ」などのように桂を薪に利用するというのは贅沢の極みということになるが、日本のカツラならそうも思わないが、ニッケイならなるほどと納得 する。
日本では、桂の樹に触れ合いながら愛を誓い合えば、将来必ず結ばれるといういい伝えがある。
桂が香りがある木と樹木や葉をかぎまわった事があつた。
しかし、あまり匂わなかった、これには理由があり、葉が乾燥することによって、香りがでてくる。
落ち葉が芳香を出す唯一の木で、葉が地上に落ちて数時間、芳香を発散する。カツラはその葉が青いうちは匂わないが紅葉する匂うというのはこのた め。
「カツラ」の語源は「カズ(香出)カラ」といわれ、夏から秋にかけ葉を採取して乾燥し、粉にして香を作る。
そのため「コウノキ」、「マツコノキ」、「オコーノキ」、「オコノキ」とも呼ばれている。
また、落葉の香りが醤油に似ているとも言われ、「ショーユギ」とも呼ばれる。
桂花とはカツラの花と思うが、そうではなく、木犀(モクセイ・キンモクセイ)のことである。
最近ではバーなどでもキンモクセイの花を乾燥したものをった「桂花酒」が置いてある。飲みやすい酒だ。
始めて飲んだときにはカツラの花から抽出したみのと誤解した。
材は、彫刻材料、製図板、張板、指物、洋家具、漆器木地、琵琶の胴、帽子の型、寄木、建築材料では床の間の地板などに使用されが、最も一般的な用途 は、机を始めとした洋家具の引き出しの側板に使われていた。
しかし最近はインドネシアなどから輸入される、アガチスなどに代替されるようになった。
暮・将棋などの盤にも使われるが、残念ながら、最もよいカヤ、次いでイチョウ、その後にカツラという評価で、最も庶民的な材といえる。
樹皮は腐りにくいので屋根ふきに利用された。また、樹皮を燃やしてできた灰に水を加えて煮て、上澄みを冷やすと、シャンプーの代用となる。
カツラは全国にも巨木が多く、天然記念物にも数多く指定されている。巨樹めぐりでも桂の木は多く見て廻ったが、かならず、近くに川や水脈がある。
学名
Cercidiphyllum japonicum
カツラ科
カツラ属
英名
Katsura Tree

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